出版社内容情報
クレオール思想を代表する思想家、文学者の大著。その思想のエッセンスを伝える代表作の完訳。20年余の訳業を経て、待望の刊行成る!
カリブ海のフランス海外県・マルチニックにあって、その歴史・社会構造・言語・人々の心性のありようを、アンティル(カリブ海諸国)、とくにマルチニックに関わる厖大な言説を収集・分析しつつ明らかにし、フランスへの依存を逃れ、主体的な民衆による自立を訴求する。全篇を覆う危機意識、はるかに展望される独立への眼差し。多様なジャンルで著述活動を行なってきたグリッサンの結節点であり、その思想のエッセンスがあますところなく示された、最大にして最重要作。
内容説明
全篇を覆う危機意識、はるかに展望される独立への眼差し―。カリブ海のフランス海外県・マルチニックにあって、その歴史・社会構造・言語・人々の心性のありようを、厖大な言説を収集しつつ明らかにし、主体的な民衆による自立を訴願する。世界各地で民の抵抗が無化されつつある現在をも問いに付す大著。詩学にして政治、他者へと開かれた“関係”へ。
目次
序章(「閉鎖的」状況からの出発;ある言説についてのこの言説から出発して ほか)
第1巻 知っていること、確かならざるもの(剥奪;アンティル的体験;“歴史”、複数の歴史;社会学)
第2巻 関係の詩学(さまざまな国民文学;文化的行動、政治的実践;さまざまな風景、邦々;さまざまな詩学)
第3巻 砕け散った言説(無意識、アイデンティティ、方法;複数の言語、共通の言語活動;言語の錯乱;演劇、民衆の意識)
第4巻 アンティルの未来(アンティル性のために;いくつかの声;いくつかの開かれ)
附録
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- 和書
- 市場成功者たちの内幕物語