内容説明
小林秀雄の批評文はニーチェ、西田幾多郎ら「生の哲学」系著作群からの“借用”に満ちており、それらが西欧近代知の危機乗り越えの道筋を示す意図のもとにあった事実を解明する。
目次
第一章 教育論の中の大正生命主義
第二章 生命主義芸術教育論と小林秀雄の“自己表白”
第三章 初期小林秀雄と生命主義思潮
第四章 生命主義美術批評に見る「人格」と「肉体」―白樺派の人格主義的美術批評と小林秀雄
第五章 生命主義認識論者としての西田幾多郎
第六章 「無私」と西田幾多郎およびR・シュタイナーの「純粋経験」
第七章 「様々なる意匠」の中心素材
第八章 古典批評に示された「現象学的還元」
第九章 「無常といふ事」と「思ひ出」される歴史の認識論
第十章 直知される“本居宣長”―小林秀雄の現象学的実験と近代諸学の危機
著者等紹介
有田和臣[アリタカズオミ]
1962年生まれ。早稲田大学第一文学部卒、立教大学大学院博士前期課程修了、筑波大学大学院博士後期課程単位取得満期退学、現在佛教大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小林秀雄像の変貌、批評家→思想家 大正生命主義と教育論 和辻『ニイチェ研究』と小林批評 生命主義芸術教育と自己表現 作品に宿る作家の生命宿命 生命主義美術批評、人格と肉体 高村光太郎、生命・人格・肉体観 小林秀雄、心身不可分の批評 西田幾多郎の生命主義認識論 西田『善の研究』と生命主義 小林と西田、思想のシンクロ シュタイナー純粋経験の道 小林秀雄の無私と純粋経験 様々なる意匠と思想背景 小林の古典批評と現象学 無常といふ事と思い出の歴史 本居宣長論と現象学実践 近代知の危機と認識論 生の哲学と小林批評2025/05/25