内容説明
文学/読書は、人生を変えるのか?イングランド中部で四年間、読書会に参加した著者は、グループの協働によって、本がどのような意味を生成し、参加者たちの生活と読書がいかに絡み合うのかを実見した。フィクション・ノンフィクションのテクスト、パラテクスト、アダプテーションの解釈を交えつつ、アカデミア内外の本のいろいろな使いみちに光を当てる。文学は決して贅沢品ではない。
目次
序章 研究の背景
第一章 分析的読みとミメーシス的読み
第二章 新自由主義体制下の文学生産と受容のセラピー的転回?
第三章 チックリット、貧困ポルノ、上昇移動小説
第四章 ミッチ・アルボムの何がいけないのか?
第五章 ジャンルの創出、テクストの再編
第六章 「情報を提供せよ、教育せよ、楽しませよ」―BBC的教養主義とノスタルジー
第七章 教育の功罪
第八章 利他の共同実践
終章 懐疑とパラドクスの隘路を縫って
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾庄左ェ門
1
Twitter上の読書会に参加していた事もあり、軽い気持ちで読んでみたら打ちのめされる結果になりました。以前に読んだ『プリズン・ブック・クラブ』よりずっと難しい内容でした。普通に読んで感想を言い合ったり、様々な本を紹介するだけで終わらず、読書や作品を通じて、世の中の変化や問題を知り、それに対して自分はどう取り組むのかというような事も書かれています。日本の『細雪』が読まれている事と紹介するための努力に驚かされました。あと、イギリス人は歴史小説が好きではないようです。文化の喪失と惜しんでもいるようですが。2025/02/24
-
- 電子書籍
- 超時空眼鏡史 メビウスジャンパー 1 …