内容説明
日本で最初の原発訴訟となった伊方原発1号炉設置許可取消訴訟は、日本の反原発科学技術者を総動員して闘われた。科学裁判ともいわれた伊方原発訴訟は、その後の反原発裁判の文字通り先駆、模範となった。その訴訟の弁護団長として20年にわたって闘った弁護士・藤田一良は、狭山差別裁判や「フォークリポートわいせつ事件」裁判など、市民と人権のために闘い抜いた。本書はその人権弁護士・藤田一良の法廷での闘いの軌跡を追う。
目次
第1部 伊方原発裁判(「伊方原発裁判」が遺したもの;原発の危険性(昭和六〇年六月二八日伊方原発行政訴訟弁護団)―伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件上告理由書より
上告理由補充書―伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件
伊方原発訴訟と藤田さん)
第2部 三つの人権裁判(意見陳述「フォークリポートわいせつ事件」裁判記録より;フォークリポートわいせつ裁判―裁判に可能性と希望を;三鬼の裁判―謝罪広告等請求事件準備書面より;「三鬼裁判」を支えたもの;狭山事件判決の全体像―これでも石川一雄は有罪か;「狭山事件判決の全体像」について)
第3部 折々の発言(御堂筋のジョン・ケージ;青木先生が居られた日々;またひとり、小島先生が;和島先生への追悼曲;真に人間的だった瀬尾さん;光徳寺の蝉しぐれ;堂島と南森町のオリヴィエ・メシアン;プーランクとラヴェル)
著者等紹介
藤田一良[フジタカズヨシ]
1929(昭和4)年、香川県高松市に生まれる。1953(昭和28)年、京都大学法学部卒業。興亜火災保険会社を経て1966年に弁護士となる。1973年に四国電力伊方原発1号機(愛媛県)の設置許可取り消しを求めたわが国初の反原発訴訟で、住民側原告の弁護団長をつとめ、1992年に最高裁で上告棄却を言い渡されるまでのおよそ20年間を1号機裁判に携わった。また、狭山差別裁判や三鬼裁判など市民の立場からさまざまな裁判を担い、人権弁護士として活躍した。2013年8月、惜しまれつつ永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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