内容説明
悪夢のような迷宮を味わい、悲惨な展開を読んだ後で感じる「温もり」はどこから生じるのか?初期の中短編、『宇宙の眼』『高い城の男』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『流れよわが涙、と警官は言った』そして、『ヴァリス』を中心に、全作品にわたって通底する「ディック常数」の魅力に迫る!
目次
序章 読むと依存症になる作家
第1章 ディックが始動する―中短編と三つの初期長編
第2章 『宇宙の眼』における冷戦時代の悪夢
第3章 『高い城の男』における歴史の改変と記憶
第4章 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』における修理された世界
第5章 『流れよわが涙、と警官は言った』における涙と抱擁
終章 回帰する場所を求めて
著者等紹介
小野俊太郎[オノシュンタロウ]
文芸・文化評論家。1959年、札幌生まれ。東京都立大学卒、成城大学大学院博士課程中途退学。成蹊大学などでも教鞭を執る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
7
ディックの作品は独特な世界観を緻密に構築している点が魅力の一つですが知らなかった著作も見つかり満足できる内容でした。2025/03/31
げんなり
4
今さらだけどやっぱりディック! 評論と言うより、親切丁寧なブックガイドとして読む。紹介されている作品の大半は読んでるけど、それでも例えば気付いてなかった文学的な関連だとか、とにかく新たな発見がたくさん出てきて、なにそれ、面白そう!、ってなっている。 設定のリサイクルとか終わりの文のかっこよさとか、本書に指摘のあるところに注意して再読したい。ディックは深掘りしても汲み尽くせない気がする。 ちなみに著者のモスラの奴は昔読んでた。2024/12/29
selva
1
誤植が気になる。2025/01/01