内容説明
朝、起きてみると大金はなくなり、借金だけが残っていました。「酒はやめる」と一大決心した熊さん。さてはて、これからどうなるのでしょう?
著者等紹介
川端誠[カワバタマコト]
1952年、新潟県上越市生まれ。絵本作家。1982年デビュー作『鳥の島』で第5回絵本にっぽん賞を受賞。1994年に発表した「落語絵本」シリーズ(クレヨンハウス)でも大きな反響を呼び、「落語絵本」の草分けとして人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆっき
29
熊さん復活の下巻。ぴったり酒をやめ一生懸命働き始める熊さん。かみさんが熊さんを心配したからこその大ウソに拍手。「はたらくっていうのは、いいもんだなあ」三年でここまで変わった熊さんの成長も素晴らしい。有名なオチもしっかり。新年を迎えた今にぴったりの落語絵本でした。2025/01/10
gtn
25
亭主は元々真面目で、腕が立つ。諸悪は酒。酒の所為でズボラになり、家計がかたむく。だが、財布を拾ったのはお前さんの夢だ、散財したことをどうすると女房にすごまれただけで、そこまで改心できるだろうか。断酒などできるか。私にはできない。だが、改めて芝浜は、よくできた、いい話。2025/06/02
Totsuka Yoshihide
11
川端誠著、(2024)、『落語絵本 芝浜上・下』、株式会社ロクリン社。あとがきによると、落語には人を笑わせるオチのある滑稽噺と、笑い所のほとんどない人情噺がある。芝浜は人情噺でありながら、見事なオチがついてる。上下巻に分かれて収録。主人公である熊さん。魚の目利きや、刺身をこしらえるのがとても上手く、お得意先も多かったが、酒が大好きで仕事にめっきり行かなくなった。おかみさんにせっつかれて仕事に行くと、海に革の財布を発見する前半と、酒をやめて心を改めて働く後半に分かれいる。オチが秀逸。おかみさん素敵です。2025/08/07
遠い日
6
落語絵本シリーズ。「芝浜」下巻。さて、しっかりと働くようになり、顧客を取り戻そうと、いい魚を仕入れ、捌き、信用を勝ち取っていく熊さん。三年の時が熊さんをすっかり変えた。仕出しの店も持つようになり、若い者も使うようにまでなった。そんな熊さんへのおかみさんの告白は、夫婦の情が通い、しっとりとした愛情が感じられてよかった。大金の行方を聞いて驚く熊さんだったが、自分を思っての嘘だったことに感謝する。三年ぶりの酒はさぞ美味かったことでしょう。2025/02/27
サト
6
人情ものとしてあたたかい気持ちになりつつ、最後はオチもつくところがウマいです。 ついた嘘を正直に話して受け入れられたり、またお酒に溺れないかな?と心配になる読者としてはホッとしました。 その上で笑いを誘う終わり方なのでうまくまとまってるなぁと思います2025/03/03
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