出版社内容情報
一八五四年、日本人に映る世界の見え方は一八〇度転換した。アメリカ人はこれを「ペリー提督の遠征」というが、私たちは「黒船来航」と呼んだ。同様に一九四五年の米軍がおこなった「空爆」を、日本人は「空襲」と呼ぶ。さまざまな出来事や事象を、日本、アメリカそれぞれのまなざしの下にとらえ「日本の中のアメリカ」に迫る。
内容説明
黒船来航、敗戦と占領、アメリカンカルチャー。近代日本人の「アメリカ」との出会いを貫通してきたものがある。それは、何か。西部へ、太平洋へと拡張し続けたアメリカの歴史から説き起こし、日本人のアメリカとの出会いを全く新しい視座から逆照射する。ハーバード大学で行われた講義の記録にして、著者アメリカ論の集大成。
目次
イントロダクション アメリカ・イン・ジャパン―非対称的なクラインの壷
第1講 ペリーの「遠征」と黒船の「来航」―転位する日本列島
第2講 捕鯨船と漂流者たち―太平洋というコンタクトゾーン
第3講 宣教師と教育の近代―アメリカン・ボードと明治日本
第4講 反転するアメリカニズム―モダンガールとスクリーン上の自己
第5講 空爆する者 空爆される者―野蛮人どもを殺戮する
第6講 マッカーサーと天皇―占領というパフォーマンス
第7講 アトムズ・フォー・ドリーム―被爆国日本に“核”の光を
第8講 基地から滲みだすアメリカ―コンタクトゾーンとしての軍都
第9講 アメリカに包まれた日常―星条旗・自由の女神・ディズニーランド
著者等紹介
吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
1957年東京都生まれ。1987年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在―東京大学名誉教授。國學院大學観光まちづくり学部教授。専攻―社会学・文化研究・メディア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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