内容説明
財布を拾ってしまった左官職人の金太郎。中に手紙と三両の大金が入っていました。手紙の表には「たてだいく町・大工吉五郎どの」と書いてあります。「届けてやらなきゃ始末に悪い」と金太郎、落とし主の家を訪ねます。ところがどっこい、「財布と手紙は受け取るが、金はお前のもんだ!」と吉五郎、頑として受けとりません。ついに二人は取っ組み合いの大げんか。この職人たち、粋すぎてちょっと面倒です。さてこの騒動、名奉行はどう解決させたのでしょう?
著者等紹介
川端誠[カワバタマコト]
1952年、新潟県上越市生まれ。絵本作家。1982年デビュー作『鳥の島』で第5回絵本にっぽん賞を受賞。1994年に発表した「落語絵本」シリーズ(クレヨンハウス)でも大きな反響を呼び、「落語絵本」の草分けとして人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
本物の落語は聞いていないのかもしれませんが、損得よりも 心意気にうたれる話だけにとても気持ちの良い作品です。 大岡裁きにしても、白黒決着ではなくて、お互いを尊重するあまり、丸く治めるために自分も一役買うところが何とも言えず清々しくなれました。 今なら私利私欲が絡んだ上に、悪徳行政がドロドロしたドラマを作り上げてしまうのでは。 川端誠さんの安定した落語絵本だけに、スッキリした気持ちで読んだのですが、先に読んでいたささめやゆきさんの絵本も大好きです。 どちらも好きなので、二冊両得としたいと思います。2024/07/11
izw
6
図書館児童書新刊コーナーで見つけた川端誠の落語絵本。大工が落とした3両を左官屋が届けるがどちらも受け取らない。困った大家二人が奉行所に届けたところ、面白いと大岡越前が裁く。これも短いながら、落語の面白さが堪能できる。2025/01/26
こまさん
3
久しぶりの落語絵本!最高でした( ◠‿◠ )こちらは、クレヨンハウスではなく、ロクリン社のもの。真っ正直な職人二人と、お奉行さま(大岡越前)のお話です。オチがいいですね!2024/07/21
読生
2
『おおおかさばき』の新版。 ちゃんと比べてないし記憶で話してるけど、前よりみんなの顔がツヤツヤしてない? おなじみ三方一両損のおはなしなんだけど、途中にものを置いて運ぶ「三方」が出てきます。 この三方とタイトルの三方が子どもたちの中でごっちやにならないかちょっと心配。 その三方をもうひとつ持ってくるくだりは必要なのかな…それともわざと言葉を掛けるために出てくるのかな。 もともとの落語には… https://booklog.jp/users/yomutoikiru/archives/1/48676101862025/02/05
たくさん
2
おおおかさばきのリメイクということで、書き直したいと作者が思うほどな素材であるという点信頼できるいい本だと思います。こういうやつがいる、一度会ってみたいというのを最近のカースト上位の方々は市井の人に対して思わない気風がある気がする。上位カースト同士の中であってみたい人を考える。今の時代、何のとりえもないけど面白い人物がカーストの手前フィルタにかけられていて面白くない時代ですな。何とかなりませぬか。2024/06/12
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