内容説明
正直者のくず屋の清平さん。ある日、長屋の浪人・千代田朴斎から古い仏像を買いとります。そしてそれを買いとったのは若き侍・高木作之進。よごれた仏像をみがいていると、ごろっと出てきたのは、なんと50両もの大金でした。登場人物のこのお三方、曲がったことが大きらいな性分だから困ったものです。この大金をめぐって、てんやわんやの騒動に。「人情噺」で有名な落語が、はじめて絵本になりました。
著者等紹介
川端誠[カワバタマコト]
1952年、新潟県上越市生まれ。絵本作家。1982年、デビュー作『鳥の島』で第5回絵本にっぽん賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆっき
28
川端誠さんの落語絵本。「人情噺」で有名な落語がはじめて絵本に。曲がったことが大嫌いな正直者のくず屋、浪人、若き侍の3人。大金をめぐってあっちに行ったりこっちに行ったり。見事なオチでした。2023/12/15
糸車
25
こども本の森中之島にて。少し前にたまたまNHKでこのお話の落語を聞いて感動。良いお話でした。娘にわざわざ説明したほど。図書館の中に展示されていたのを発見した時はおお!となりました。割と淡々とお話が進むのですが、落語は話がもっと膨らんでいた。あれは落語家さんの腕だったのですね!でも楽しい。嫌な人が出て来なくて、貧しい暮らしをしていても真っ当で正直に生きて行く人々が素晴らしい。2024/04/20
ぶぶ ひこ
23
大好きな落語、井戸の茶碗。滑稽の中に「粋」を感じる。2024/04/08
ヒラP@ehon.gohon
22
損得勘定のない正直者の清平さんと、がんこ者の千代田朴斎 が、薄汚れた仏像をきっかけにとんでもない展開が始まります。 仏像がどんなものか、持ち物がどんないわれのものか、知っていたなら朴斎さんも、こんなに落ちぶれなかったようにも思うのですが、いったん手放したものに、どんな価値がつこうとまったく欲がありません。 これまた曲がったことの嫌いな高木作之進との間で、信じられないやり取りです。 江戸っ子気質って良いですね。 結婚話にまで進んでいく落語噺ですが、川端誠流の絵本化が冴えています。2024/04/01
ケ・セラ・セラ
16
出てくるのは欲深くない曲がったことが嫌いな善人ばかり。はじめにくず屋という仕事のことや、文や両がお金の単位であることの説明が必要かもしれません。些細なくずから始まり、次第に予想外のケタの大きなやり取りの話になっていきます。見事ななオチの落語絵本ですが、小学校中学年以上向きかと思われます。 いつの時代だって言われそうですが、私が子どもの頃は「古新聞、古雑誌、ボロ切れなどございましたら〜」と軽トラが回収していたものです。2024/04/27