内容説明
365日分の早朝の空を眺めてできた詩集です。
著者等紹介
東直子[ヒガシナオコ]
歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。「東京新聞」などの選歌欄担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
109
晴れの日、雨の日、曇りの日、みんなそれぞれ良さがある。明日は見れないかもしれない。今朝空を見ることができたことの奇跡に感謝。💘水に落ちる水がつくる水の輪が、音楽のようです。雨が降っています。💘謎のベールに包まれている、と書かれる時のベールめく空です。💘本日は晴天なり、と拡声器を使って言えそうな、まぶしい青空です。💘もふもふした者が駆け回ったあとのような、白い浮き雲があります。💘雲の隙間から、きらりきらりとメッセージがさしこんでくるようです。 2024/06/17
Ikutan
68
Twitterに投稿された2017年1/1から12/31までの朝の空模様。言葉で表現された365日毎日変化する早朝の空の様子は、味わい深くて想像力を掻き立てられます。同じ青空でも、鳩を放ちたい青空、すみずみまで透き通る青空、白い雲の浮かぶのどかな青空..雲だって、布団や羽毛のようだったり、もっちりしたり、美味しそうだったり..。"長い間言えなかった言葉をたっぷりためているような空模様"や"一面お粥のような空"など言葉を尽くした表現が素晴らしい。これから毎朝空を見上げたくなりますね。シンプルな挿し絵も素敵。2024/04/08
けんとまん1007
65
深呼吸したくなる1冊。朝、空を見上げる。ただ、それだけ。でも、毎朝が違う。ふと、脳裏に浮かぶもの。それは、五感を通したものだと思う。空の色、雲の色と形、気温、湿度、飛ぶ鳥の姿、聴こえてくる音。自然という生命観溢れる世界の一員としての自分を感じる時間が、そこにある。自分も、東さんと同じように、毎朝、やってみようかなと思う。2024/03/12
鍵ちゃん
52
1年間の空や雲、雨をその時々、さまざまな表現でそれもほぼ一行で表された詩です。季節によってその様が違っていて、その情景が目に浮かび上がる。忙しい中でもたまにはじっくり空を見るのもいいかもね。それにしても、まったく違った表現で空を表したと感心しました。詩を読むのもいいかも。2025/02/10
よこたん
46
見上げればいつもそこにあるのに、いつも違う顔を見せてくれる空。同じ顔に出会いたくても、それは叶わないこと。だから、見上げて感じた365日の朝の空を、東さんは綴られたのかもしれない。「きいんと白い寒天です。」「アップリケのある園児のスモックみたいな空です。」「うつろな、かすかな、ほんのりあまい雨が降っています。」「青空にコンデンスミルクがとけているようです。」「本日は晴天なり、と拡声器を使って言えそうな、まぶしい朝です。」「大きなひとがおいしいおかゆをたっぷり食べていったあとのような、空です。」が特に好き。2024/05/31