内容説明
あの短歌のひと、岡本真帆のはじめての歌集!
目次
ぱちん
犬がいる!
安全な場所
いつか忘れる
街で暮らす
無垢
リスがすごいの
これが夏だよ
ターャジス
遠い星
振り返す手
いるかのかたちの軽石
新しく生まれ直せば
HOLIDAY
砂利
生活
ここにいる
北極星の日々
声を待ってた
ほんとうの記憶
パスワード
ポニーテール
私の夜を私が歩く
悪役
平和島
でたらめな花言葉
南極に宇宙に渋谷駅前に
レジャーシートの冷たい麦茶
水上バス浅草行き
ぜんぶが私
たぶんあなただ
ねむいキス
風が強くて
レイトショー
愛のかたまり
著者等紹介
岡本真帆[オカモトマホ]
1989年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
110
久しぶりの歌集。短歌の本である。ゴールデンウィークで朝から歌集が読みたくなり読んでみた。タイトルの意味を知って読んでみたら本当に温かい日常に溢れていると感じた!タイトルの意味は浅草まで行く方法として電車がメジャーだが水上バスという手もある。水上バスは急いで乗るものでもなく乗らなくてもいいもの。だが一見無駄かと思うものが自分を支えているという意味。短歌は小説のワクワク感やビジネス書の達成感もないかもしれないが日常に溢れている当たり前を少ない文字で奏でるリズムに心が小躍りする素晴らしさがこの本にはあった!2022/05/03
もぐたん
81
詠まれる歌の切れ端に思い切り共感。あさり、石焼き芋、マヨネーズなどの生活感溢れる言葉。犬、猫、鳥など、可愛らしさや自由の象徴としての動物。脇道、金木犀、水切り石など、それだけでも想像の広がる、心の奥に響いてくる言葉など、日常のそこここにある普段着の言葉たちが見せてくれる、小さな小さなハートの弾みやちくりとした痛み、アッという発見の瞬間を、作者ならではの優しい視点で切り取った、可愛らしくて愛おしい、何度でも読みたい短歌集。読後は、選りすぐりのお気に入りを、大切な人と語り合いたくなること間違いなし。★★★★☆2022/06/20
あや
79
平易な言葉で豊かな感情を詠む素敵な歌集。佐野元春さんの「水上バスに乗って」と関係があるかどうかは最後までわからなかった。あとがきも素敵。何日か前に4刷ができたとネットで読みました。短歌ってなくても生きていけるけどあると人生が豊かになる。2022/05/28
コットン
67
日常系のどこかシュールな明るく軽やかさがあって、くすっと笑える歌集。2023/03/12
konoha
62
ずっと気になっていた歌集。小さくかわいい佇まいと装丁。「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし/君の夢だと分かったら好き勝手やるシンバルも投げるし笑う/防弾着、かならず買って。街中の銃はスマホのかたちをしてる」 日常生活のときめきや楽しさ、周りの人や物への愛を詠んだ歌には、社会への鋭い視点がある。等身大の思いが伝わってきて今時すぎないのがリアル。誰もが見ている風景を新鮮に切り取る。小さな世界や瞬間を描きながら、人生の真理を突いていてはっとする。普段、短歌を読まない人にもおすすめ。2022/10/28