目次
1 お子様ランチの旗はブラジル
2 しっぽをくれる
3 もし奴を見かけたならば
4 その昔赤ちゃんだった人
5 わたしの羽柴秀吉
6 アニエス・ベーのTシャツのベー
7 忘れないから食べたのだろう
著者等紹介
島楓果[シマフウカ]
1999年3月生まれ。2021年、第一回「ナナロク社 あたらしい歌集選考会(木下龍也選)」にて『すべてのものは優しさをもつ』の刊行が決まる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
57
人は、日常の営みの中で、ふっと小声でこぼれるような言葉があったり、声にならないまでも、こころの中で浮かぶ言葉がある。そんな、繊細な言葉を、そっと掬い上げるような歌が紡がれている。力んで、勇んで、さあやるぞ・・・ではなくて、思わず浮かんだり、気づいたりする日常の断面。だからこそ、そうそうそうんだよね~と頷く自分がいる。ふと、思う。ここにある歌の数々に頷ける間は、健やかな証かもと。こころのリトマス試験紙。2023/02/26
とよぽん
53
富山県出身の新鋭歌人、島 楓果さんの歌集。図書館で見かけて借りてきた。普段遣いの言葉が三十一音の歌になって、親しみと共感を誘う。彼女の視点、視線が限りなく優しい。俳句もいいけど短歌もいい、と思わせる歌集だった。2022/06/19
とよぽん
41
再読して、島 楓果さんの(まだ23歳と若い)これまでの歩みと短歌との付き合いが随所に感じられた。息苦しいような生きづらさ、周囲と自分の間にある何か、それらを少しずつ歌に表して自分を解き放つ道を見つけたような・・・。結びの句でユーモアがのぞいて思わず笑ったり、感覚の鋭さに衝撃を受けたりして第一歌集を味わった。今後の活躍を期待。2022/08/15
水色系
26
表紙に一目惚れ。すべてのものは優しさをもつというその眼差しがやさしくて、不安な気分になったときとか、パラパラめくりたい。安定剤のような本。[アナウンサーが左に少し傾いているからわたしも傾いて観る(P111)]2022/05/02
zel
16
「優しさをもってすべてに接すればすべてのものは優しさをもつ」日常を やさしくて、かわいい 愛らしい そして切なく切り取る作品が多かった。不安な時ちょっとつらい時などにそっと寄り添ってくれるようなかんじ。短歌でやさしいなって感じるもの、共感するなってものをかく方って、痛みを負った方が多い気がする。良いこともそうでないことも優しさに変えていけるようなひとになりたいと思った。2022/06/09