出版社内容情報
11世紀初頭、イングランド。狼に育てられた少年・ルークは神父クロウリーと出会う。クロウリーからの愛を享受し、人間性を取り戻すルーク。平和な時を過ごす二人ーーしかし、彼らの前にヴァイキングが現れる……。後にヴァイキングから「戦狼(ヒルドルヴ)オーディン」と恐れられる男による、壮絶なる復讐の物語が幕を開けるーー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
52
狼に育てられた少年ルークと、その全てを奪った白髪のエイナル。エイナルもまた、全てを奪われた人間だった。ヴァイキング侵攻の時代、復讐の相剋。ヴィンランド・サガとほぼ同時代のイングランドを舞台にしているが、今のところ物語はシンプルだ。1巻でここまで進むからヴィンランド・サガほどの深みはまだない。それはやむを得ないか。超絶的な五感(但し視覚は失われつつある)を備えたルークが、仇であるエイナルだけは知覚し難いという点は面白い。エイナルが捨てた人間らしさを、ルークが捉えられない故に。少し追ってみたいな。2023/12/15
YS-56
5
希望は最初に飛んで行った。全てを奪われ、すべてを奪う。2023/11/23
Fumitaka
5
人でなかった存在から人へと戻ったオオカミ少年と権力争いに巻き込まれ人ではなくなった者との争い。絵がいいですね。絵巻みたいな時折登場する「挿画」もよい。そしてこっちのエイナルは凶暴だ。おそらく「近代」の総力戦とナショナリズムがまだなかった時代の戦争は様相が違っただろうとは思いますが、しかし古代ギリシアの諺にもある通り「民」が最初に巻き添えを食うというのも事実ではあります。そういや『吸血殲鬼ヴェドゴニア』の「ヒルドルヴ・フォーク」は北欧が元ネタだったのだな、と直接関係ないことも知る。2023/11/20
くろねこ文学
4
11世紀初頭、後にヴァイキングから戦狼(ヒルドルヴ)オーディンと恐れられる男による、壮絶なる復讐の物語。とにかくすごい迫力!! 激しい戦闘シーン、悲惨な殺戮が迫力ある絵で繰り広げられ、すごく引き込まれた。狼に育てられた少年ルークは、愛情を持って接してくれた神父クロウリーをヴァイキング・エイナルに殺され復讐に燃える。が、しのエイナルもヴァイキングに両親を殺され、じつは復讐を密かにもくろんでいて…。荒々しい戦闘、血生臭い復讐劇。オオーって感じドキドキしながら読んだ。なかなか残虐だけど、すっごく面白い‼2023/11/20
あらい/にったのひと
3
うわ、登録めっちゃ遅れた。コミティアでもおなじみのよしおかさんの本です。わーい。うちにあるまんがでは骸積みのボルテが近いかな、復讐劇です。イギリスとノルウェーの間の時代ってあまり描かれないので、その点でも貴重ですね。2023/11/20