出版社内容情報
学校薬剤師の手伝いで小学校に訪問した、葵みどり。その際、偶然にも鼻血が止まらない男子児童と出くわす。彼の父親に受診を薦め、検査入院が始まるものの、児童の病状は改善が見られないまま…。疑問を持ったみどりの眼は、彼の父親へと向けられる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
44
学校薬剤師、代理ミュンヒハウゼン症候群、学会発表、イスラム教徒の患者という普段日常では接しないテーマで、とても興味深く読めた。学校薬剤師の存在は知らなかった。でも残留塩素を確かに調べてたよなぁ。MSBPこういう虐待の話は聞いたことがあるけどこういう加害のやり方があるのか。怖い。学会では普段忙しい人たちはが知識を共有し交流する大切な場である事がよく分かる。宗教による治療の違いは普段意識していないよね。それに対処する医師や薬剤師の大変さと凄さを感じる事が出来る話。知的好奇心を満足させてくれるコミックです。2022/04/29
メチコ
9
★4 学校薬剤師や学会など、一般の方にとってはよくわからない世界をどのように表現するか。 正しくわかりやすくおもしろく伝えるのって難易度高いと思うんだよね。 だからといって私の書評は甘くなりませんよ…なぁんて思ったりしていたんだけど。 フムフムとうなずいたり、ニヤニヤとついついにやけてしまったりと、よい出来栄えだと思いました。 「ちょっと変な人きた」とか、あんなの笑ってまうわw2022/04/30
まげりん
7
イスラム教ってお薬の由来成分に関しても戒律が影響するんだね。全く知らなかった…でもわかり合おうと言う姿勢が大事だよね。2022/08/16
しぐ
7
代理ミュンヒハウゼン症候群。承認欲求をネットで簡単に満たせてしまう時代になったからこそ危ないよね。この子が傷つかないでほしいなって思ってしまう。そして小学校の保健委員の仕事でやってた水道の検査、あれってこういう意味があったんだ。学校勤務の薬剤師さん…知らなかったなぁ。2022/06/29
みっちぃ
7
代理ミュンヒハウゼン症候群。言葉と「こういうもの」ということは知っていたが、こういう人と出会ったことは無い。 この話の父は妻を応援している自分。主夫として子育てと家事が完璧な自分をネットでアピールすることで賛辞を得て、ホントは自分も外で働いて活躍したかった穴埋めをしていたのだろう。 ケースによっては「子に頼られる自分」を保つためにそうなる事もあるかもしれない。 いずれにせよ子供にとって命の危機もあるし、親がそうだったと知った時のショックも大きいだろう。2022/06/04