内容説明
慢性疾患における緩和ケアの目的は、苦痛から解放されて、QOLとwell‐beingの向上を目指すことです。本書は、緩和ケアを臨床倫理的視点から読み解くための総論と、さまざまな疾患における事例から緩和ケアを考える各論から構成されています。患者本人の尊厳に配慮するとはどういうことなのか、人生の最期の時期を満たされた思いで過ごすことの意義を、一緒に学びましょう!
目次
総論(「臨床倫理」をキーワードに緩和ケアを考える;患者の権利からみた臨床倫理―非がん患者の緩和ケアを受ける権利;緩和ケアで考慮するべき高齢者の特性;基本的な緩和ケア的アプローチGeneralist Palliative Careの重要性;緩和ケアにおける基本的な倫理的枠組み ほか)
各論(在宅における摂食・嚥下障害と緩和ケア―家族の代理判断により人工的水分栄養補給を中止した事例;認知症と緩和ケア―がん治療中に認知機能障害が併発した際の療養先の選定をめぐる検討;脳血管疾患と緩和ケア―重度障害をきたし死亡直前までリハビリテーションを行った超高齢脳梗塞のケース;循環器疾患と緩和ケア―慢性心不全患者の心不全医療ケアチームによる基本的緩和ケア;慢性呼吸器疾患と緩和ケア―呼吸困難を「トータルディスニア」としてとらえる全人的アプローチ ほか)