出版社内容情報
舞台は吉祥寺。個性豊かなシェア型書店の「売り物ではない一冊の本」から始まる、素敵で優しい謎解きの世界へようこそ。
【目次】
内容説明
ここは東京・吉祥寺にあるシェア型書店〈本の庭〉。「棚主」と呼ばれる「小さな書店の店主たち」が店内に思い思いの本を並べて売る、この風変わりなお店には、いつでも小さな「謎」が集まってくる。青春時代に親友と交換した大切な本の記憶を取り戻したい老婦人。製作者不明の同じZINEを買い続けるお客さんと棚主の攻防。書き込みだらけの「読み跡本」に込められた思い。この書店のはじめの一冊として「売り物ではない本」が置かれた理由―。見逃してしまった誰かの「思い」が、時を超えて「謎」として目の前に現れたとき、きっとこの書店の仲間は、それを解く手助けをしてくれる。書物と珈琲の香り漂う、素敵で優しい「小さな謎解き」の世界へようこそ。
著者等紹介
藤野ふじの[フジノフジノ]
東京都出身。ことのは文庫『ネコとカレーライス スパイスと秘密のしっぽ』にてデビュー。同作にて「カレー・オブ・ザ・イヤー2022 企画部門」を小説作品として初受賞。短編「おとむらいに誘われて」で書肆侃侃房主催第5回ことばと新人賞佳作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
172
本棚に収まる数多の世界が私たちを待っている。偶然の贈り物が届いたとき、新しい扉がひらく。本を読み始めると美しい言葉がきらめいてくる。大切な人を夢みる朝も、涙がとけていく夜もある。読み終えたときにしか抱けない感性がある。物語から現実に続く道を越えると思い出に変わり、忘れられない一冊となる。消えゆく記憶は切なさとともに、薄れゆく願いはやさしさとともに包まれている。痕跡は次の読者への手紙となり受け継がれていく。シェア型書店「本の庭」に集う人は本を心の底から愛している。棚主の思いは人と人を紡ぎ、心と心をつなげる。2025/09/01
夜長月🌙新潮部
55
吉祥寺のシェア型書店を舞台に棚主とお客さんたちの交流を描いた作品です。一般の書店は本を買いに行くところかもしれませんが、シェア型書店は新しいワクワクを見つけに行くところです。100人の棚主がいてそれぞれの人生が垣間見られます。(デンマーク発の「人間図書館」も興味深い話しでした)2025/11/03
オセロ
33
シェア型の本屋というものにピンとこなかったので、途中で登場人物が面食らいましたが、謎解きは面白かったですね。ただ、シェア型の本屋が最後までイメージ出来ず、没入感はあまりなかったです。2025/11/18
ごま麦茶
6
吉祥寺にあるシェア型書店《本の庭》に集まる、棚主やお客さん、関わる人達のお話。シェア型書店に集まってくる、様々な小さな謎たち。共感できること、気付かされることがたくさんあって、悶えながら読みました。真似してやってみたいこと(読書会とか企画とか)も。本当にシェア型書店って素敵なご縁をくれる素敵空間だよなぁと改めて感じました。これは布教確定。2025/11/16
📖®書店員🍵
4
毎日たくさんの新刊に出会い、たくさんのお客さまに届ける、所謂『新刊書店』にいる私とは違う形の書店が物語の舞台。 私がいるお店では日々様々なお客さまが、様々な本を買っていく。 その人たち一人一人にも『人生』という本があり、各章があって、大なり小なりの展開が詰まっている。そしてそれがひとつの物語へと形成されていく。 その物語の一文にも満たないほどの接点である私だけど、これからもたくさんの人たちがページを捲り、世界に出会い、『人生』という本を形作るお手伝いが出来たら良いなと強く感じる作品でした。2025/10/21
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