出版社内容情報
出版社で文芸編集者として働く柴桜丞(しば・おうすけ)には、どうしても原稿を書いてほしい作家が一人いる。その名は鈴代凪(すずしろ・なぎ)。彼は、幼い頃の柴に、最初に「物語の愉しさ」を教えてくれた恩人だった。幼い柴に凪が語ったのは、絵本の中の昔話の「ハッピーエンドアレンジ」。たとえば『マッチ売りの少女』。少女が凍えてしまう最後がつらくて読み進められない柴に、凪はふんわりと幸せな要素をちりばめた、オリジナルのラストを作って語って聞かせ――。……そして大人になった柴は、大手出版社の新人賞を受賞以来、マイペース(要は超遅筆で寡作。ほぼ消息不明扱い)な執筆活動をつらぬく凪に、彼の作風とは違うものの、小説市場の需要にあった、売れ筋の「泣ける小説」を書いてもらうため、彼の開く「古書店兼小料理屋」へ今日も通い詰める。しかし、柴が凪に「泣ける小説」を書いてもらいたい理由は、本当は別にあって――。
内容説明
文芸編集者の柴桜丞には、どうしても原稿を書いてほしい作家がいる。その名は鈴代凪。彼は、幼い頃の柴に「物語の愉しさ」を教えてくれた恩人だ。幼い柴に凪が語ったのは、昔話の「ハッピーエンドアレンジ」。たとえば『マッチ売りの少女』。最後のシーンがつらくて読み進められない柴に、凪はふんわりと幸せな要素をちりばめた、でたらめなラストを語って聞かせ―。…そして大人になった柴は、マイペースな執筆活動(ほぼ消息不明扱い)を貫く凪に、彼の作風とは違うが売れ筋の「泣ける小説」を書いてもらうため、彼の開く「古書店兼小料理屋」へ今日も通い詰める。しかし、柴が凪にそれを書いてもらいたい理由は、本当は別にあって―。
著者等紹介
いのうええい[イノウエエイ]
奈良県出身。2018年より、小説投稿サイト「エブリスタ」にて作品を公開。『ヨロヅノコトノハ やまとうたと天邪鬼』(ことのは文庫)が初の書籍化となる。現代日本語学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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