目次
第1部 ノート1・ノート2(第三高等学校(1942年9月以前)
京都帝国大学文学部(1942年9月~1943年12月))
第2部 ノート3(武山海兵団(1943年12月19日~1944年1月26日)
土浦海軍航空隊(1944年1月30日~1944年5月23日)
大井海軍航空隊(1944年5月29日~1944年7月14日))
第3部 ノート4昭和20年の断想(第八〇一航空隊―美保基地)
付記―筑摩書房版『わがいのち月明に燃ゆ』より
感想・レビュー
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さゆう
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差し迫る死に人は自身の生の意味を与えることができるか。それも戦争に身を捧げること、平和な日常を生きる私達には想像もできない。学問に生きようと志したある学生の人生に、差し込む戦争の影。国策に疑問を抱きつつも、国家という強大な力に抗うことはできず、青年は文章をしたためる。ただひたすらに、心情を吐露しつづける。戦況の悪化を受け尹夫は自身の命の期限を悟り、国のために一学徒が身を以て捧げる意味を問い続けた。国民の苦悩を彼ら世代が一挙に抱え、死にゆく意味とは何か。彼は、新たな日本の建設の犠牲となることを宿命と捉えた。2025/06/15