感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
13
どうしてこの人はこんなことを言うのか。どう考えたら目の前の困っている人を無視して宇宙や火星に莫大な私財をつぎ込めるのか。世界的IT長者に感じていることへの答えに近い。ITにせよ科学技術にせよ、一事に秀でている人は視野が狭いというか、その一事を至上として物事を考えるのだろう。利益が出るか否かが評価基準になり、資本主義が寄ってたかって誉めそやした結果、見たいものしか見ない。そしてありもしない終末に脅えて、一人の人間としては、毛布に頭を突っ込んで震えているのと変わらない。それが排他的になれる理由なんだろう。2024/03/07
冬佳彰
13
自分が引き起こした破滅的状況からひたすら逃げ、安全なシェルターを建造しようとする億万長者、それを可能にしてしまったITやVC、残され、それでもなお彼らを支持する人々。こうした「マインドセット」に毒された人間、そして世界をどのようにして変えていくべきかを書いた本。色々なヒントに満ちている。現時点、かなり重要な本だと感じる。2024/02/06
難波猛
3
#読書 ◆SNSで我々はユーザーで商品で労働力 ◆人間と機械の役割逆転(優秀な機械と軽率な人間) ◆デジタル企業と経営者は指数関数的な成長が可能というマインドセットに支配されている ◆デジタル技術の究極=パジャマ姿でいる権利(完全に制御された快適な世界) ◆勝利の性質とは自分が他者より離れた位置にたつこと(勝者総取り) ◆見境の無い成長追求が支配と独占と収奪へ ◆メディアの疑似環境に情動を操られる、個人は環境に組み込まれた仕掛け(中毒性のアルゴリズム)で鼠同様オペラント条件付けされる2023/09/03
Lian
1
あらゆる方向に喧嘩を売っていて読んでいて面白いし、私自身に埋め込まれた「マインドセット」への気づきを得られたのも良かったのだが、『サイベリア』で名を揚げた著者がデジタル社会批判をして脱成長コミュニズムみたいなこと言っているのは悲しいな……2023/07/18