目次
第1章 水俣病問題の概要
第2章 被害の周辺からの思考
第3章 胎児性患者たちの自立と支援の変遷
第4章 水俣病被害補償にみる福祉の系譜
第5章 補償か、それとも福祉か
第6章 先天性(胎児性)という問い
資料
著者等紹介
野澤淳史[ノザワアツシ]
1982年生まれ。明治大学大学院文学研究科修了。博士(人間学)。日本学術振興会特別研究員(PD)をへて、現在、東京大学大学院教育学研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まると
22
公式確認から60年を過ぎても水俣病が解決しないのは認定基準が厳しいからだが、著者はその未認定問題の陰で見過ごされがちな胎児性患者の自立や生きがいに焦点を当て、真の解決とは何かを問いかける。そして近年免罪符のように行政が進めてきた福祉施策を一定程度評価しつつ、その継ぎはぎだらけの対応では自立の条件にならず、補償が大前提だと結論づける。熊本を「教訓」に避妊指導を行った結果、新潟で胎児性患者が少なかったことも優生思想の観点から批判的に見つめ直す。学術的で文体は堅いが、考察は深く高い問題意識が凝縮された書だった。2024/11/17
takao
0
ふむ2025/05/02