出版社内容情報
シリーズ累計40万部突破~ベストセラー日記シリーズ最新刊!!
「今月2件、7000万!なんとしてでもノルマこなします。」
35歳で消費者金融を退職した著者がたどり着いたローコスト住宅メーカー「タマゴホーム」。
以降10年間にわたって勤務し、120軒の住宅建築に関わる中で目撃した住宅業界のオモテとウラ。
その笑いと悲哀の記録。今回もすべて実話の生々しさ。
内容説明
われわれは会議や朝礼のたびに今月の「目標」を発表させられる。「今月の目標は2件の5000万、必ずやります!」それを聞いた猫沢店長は、「よし!絶対やれよ。自分の言葉に責任持てよ!やれなかったらどうなるかわかってんだろうな!」こうしていつのまにか「目標」は「ノルマ」にすり替わるのだ。―本書に書かれていることは、すべて嘘偽りのない、働く中高年のリアルな姿である。
目次
まえがき 群を抜いたハードワーク
第1章 住宅営業マンの波乱の日々
第2章 カネになる客、ならない客
第3章 ブラック業界の、ブルーな私
第4章 住宅業界、ここだけの話
あとがき 「痛み、つらさ」と「喜び、達成感」
著者等紹介
屋敷康蔵[ヤシキヤスゾウ]
1970年栃木県生まれ。大手消費者金融に就職するも、グレーゾーン金利撤廃後の業界縮小を受けて退職。三五歳のとき、ローコスト住宅メーカーに就職。以来一〇年近くにわたり在籍し、120件の住宅建築に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
135
業界としてはキツい中の、よりブラックな企業に務めた方の回顧録。最近ハマっている三五館シンシャの「○○日記」シリーズから。著者は、中途で福島のローコスト住宅メーカーに転職、以来10年近くにわたり在籍し、120件の住宅建築に携わった屋敷康蔵氏。住宅営業マンの販売テクニックのみならず、住宅ローンを勧める立場だった自身が自らの住宅ローンを破綻させるに至る経緯まで綴った一冊。笑いあり、涙ありの内容で面白かったです。2023/12/15
ノンケ女医長
99
「結婚・出産・マイホーム」という言葉があった(昭和時代)。住宅営業に携わることは、お客様と一緒に将来の夢を創り上げる華々しい仕事と思っていたが、かなり違うみたい。生涯に一度の高額なお買い物。何十年もローンを組むわけなので、選ぶ側も虚々実々の駆け引き。過度に押し寄せるクレームと戦いながらノルマをこなす、熾烈な営業職なのだと実感した。昨今の、建築資材と人手不足、そして空き家の増加も考えると、住宅営業の在り方そのものも、変わっていくのかも。いや、年中無休のクレーマー対応は、しんどい。2022/10/24
kinkin
96
住宅営業マン、想像以上に大変な仕事ということを知った。何千万円もする住宅がポンポン売れるということはない。ここで紹介されているのは震災後の福島だったので、まだ良かったと思う。現代の日本、昔のような終身雇用など無くなったし、リストラ、賃金カット、自然災害の増加など住宅購入はかなりリスクが大きい、家が建つとそれなりに固定資産税も高くなり、修繕費もいずれは必要になる。子どもがいれば教育費も必要だ。病気になれば・・・晩婚化や、正規雇用が減少するなかで著者のような営業マンの苦労は計りしれず。2024/10/18
ガチャ
95
私もかつて、家ではないけどもう少し小さいものだけど、お客様に「この特典は今だけなんですよ」と言って売ってたことを思い出しました。 なのに、会社は好評だから延長しまーすと簡単に言ってくる。現場の声を聞いてくれないのは、どこもあまり変わらないのですね。 家を売るのは本当に大変だ。 自分ではどうにもできないクレームほど辛いものはない。それでも、営業担当が変わったから、あの話は無しですは駄目ですよ。 夜10時半になれば、流石にお客様からの電話は来ないってやばいですね。家を買う機会が訪れたら値引き交渉はしてみます。2022/07/19
tonnura007
92
ローコスト住宅メーカーの住宅営業マンが主人公。顧客とのトラブル対応や会社から課せられた契約ノルマなど、奮闘する著者だったが最後は病んでしまい退職、自らが住宅ローンを破綻させてしまう。 住宅営業マンに向いている人と明らかに向いていない人がいると感じる。著者の同僚でも登場したが、とりあえず契約を取るために設備をサービスすると大盤振る舞いして口約束で契約に持ち込んでも後でトラブルになるだけ。 著者が退職してしまったことは残念だったが、再就職ではもう一度営業の仕事を選んで、営業の仕事が好きと言えることに安堵した。2024/03/06