内容説明
「謝るのが仕事だよ」添乗員自身がなげく“日雇い派遣”。ほとんど憂鬱、ときどき喜び。生活と痛みのドキュメント。
目次
第1章 派遣添乗員、本日も苦情あり(某月某日 体調不良:腹痛での綱渡りツアー;某月某日 忍耐:二度と会いたくない「先生」 ほか)
第2章 ハズレの仕事、ときどきアタリの仕事(某月某日 難民キャンプ:パニックと化した「浜焼き食べ放題ツアー」;某月某日 オロオロ:クレームを回避するためのテクニック ほか)
第3章 添乗員を取り巻く奇妙な人びと(某月某日 人生のベテランたち:バイキングは戦場である;某月某日 私のバスはどこ?:添乗員が集合場所を連呼するワケ ほか)
第4章 旅行業界残酷物語(某月某日 引っ越し:年金15万円弱の温泉ライフ;某月某日 あぶない一線:「疲れ果てる」を超えた旅行会社社員 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
242
人に喜びを提供するサービス業だけど、トラブル・クレーム・パワハラ対応が日常茶飯事であり、添乗員さんは精神的にも肉体的にもタフじゃなければ生き残れないことが、よ~く分かります。キツ~いお仕事ですね。ツアー参加者から、帰りぎわに「今日は楽しかったです」と声をお掛けすると、ヘトヘトも吹き飛ぶそうなので、イイ添乗員さんに出会ったら感謝の意を表しましょう。あとがきに書かれている、この本を出版するための飛び込み営業を読んで、作者のタフさを更に感じます。2020/12/01
きみたけ
136
著者は、大学卒業後塾講師やライター業などを経て、50歳から派遣添乗員を始めた梅村達氏。最近ハマっている三五館シンシャの「○○日記」シリーズから。派遣乗務員の日常の風景(派遣としての不安定な立場、添乗中のトラブル、ツアー参加者からのクレーム、旅行会社とのあつれき)を描いた一冊。そんな日常の中に時折顔をのぞかす喜びや希望を糧に添乗員を続けているそうで、シリーズの他の著者より深刻さはましな方。にしても忍耐力の要る仕事ですが。。イスタンブールで集合時間を忘れて買い物していたツアー参加者が置き去りとなった件は衝撃。2024/03/18
kinkin
135
添乗員にも派遣というのあることを知った。80年代、バブルの全盛期の頃、サラリーマンだった私もいくつものバス旅行に行った。で、私は旅行の幹事をやらせられ大変な目にあったがそれ以上に添乗員というのは大変そうであった。時間にお哀れ、昼食や夕食の宴会、必ず約束の時間に舞い合わないやつの捜索etc これが海外旅行ならと思うとこの仕事だけは絶対止めて置こうと思った。書かれていた名言「出会う人すべては忍耐について教えてくれる先生」ジェラルド・G・じゃんポルスキー(ゆるしのレッスンより」肝に銘じておこう。図書館本2022/04/15
ゼロ
124
派遣添乗員で働いている筆者が語る仕事の裏側を日記風に語るエッセイです。添乗員の仕事を詳しく知らなかったが、派遣され仕事している。現場で立つのが、添乗員だから乗客のクレームはあるし、旅行会社からのクレームもあるし、ドライバーからのクレームもある。給料が良いか?と聞かれると拘束時間が長い割には、日給1万円らしい。酷な仕事である。添乗員になりたい人は誰もいないと語る筆者。旅行好きでは耐えきれず、体力がないとやっていけないし、何より人間関係が面倒くさい。暴露話ではあるが、明るくユーモアに書かれていて読みやすかった2021/02/11
kotetsupatapata
109
星★★★☆☆ 今から20数年前 小生が20代の時同じように派遣の添乗員をしていたので、大変懐かしく思い出されました。 多少誇張はあれど、添乗員の生態は本書の通り間違いありません😅 時代は流れ、令和となった今もあの頃とほとんどやっている事が変わらない業界に唖然としました。 本書でも述べていますが、この仕事真面目で一生懸命の人ほど勤まりません😢 体力とほどよいテキトーさが求められます。 まあ若い時分に、少し印象に残る仕事をしたい人にはお勧めしますけど✨2021/08/30