出版社内容情報
日本において事業承継は国家的課題とされ、制度やスキームは整備されています。しかし、株式対策や税務、M&Aといったテクニカルな手法に焦点が集まるほど、事業承継の本質は見えにくくなっています。本来、承継とは単なる社長交代ではなく、一人の人間が経営者として成熟していく過程です。にもかかわらず、多くの現場では「交代までの準備」がゴールとなり、その後の問題が置き去りにされています。
実際、承継の成否が問われるのは交代後です。優秀な後継者であっても、正しい戦略や改革が組織に受け入れられず、孤立してしまうケースは少なくありません。理屈は正しいが、人の感情や組織の空気が伴わなければ機能しない――この乖離こそが本質的な課題です。
こうした現実から見えてくるのは、「知識や制度だけでは経営者は育たない」という事実です。本書はその答えとして、「人はいかに在るべきか」を問い続けてきた東洋思想に着目します。東洋思想とは、古代中国を中心に、数千年にわたって形成されてきた人間観・世界観の総称です。儒家の『論語』、老子の思想、陰陽の考え方などに代表され、「どうすればうまくいくか」という方法論ではなく、「人はいかに在るべきか」という根本を問い続けてきました。陰陽や論語、老子は、抽象的な哲学ではありません。承継の現場において、判断や組織のあり方を根本から左右し、結果を分ける極めて実践的な視点なのです。
本書は、東洋思想を軸に、事業承継を「やり方」ではなく「在り方」から捉え直す一冊です。経営の原理原則から人格、リーダーシップ、意思決定、そして使命に至るまでを体系的に整理し、会社の未来を担う後継者をどう育てるべきかを提示します。
【目次】
内容説明
東洋思想を軸に、会社の未来を担う後継者をどう育てるべきかを体系的に解説。後継者に伝えるべきは経営の「やり方」ではなく「在り方」
目次
序章 ある承継の崩壊―優秀な後継者が、なぜ孤立したのか
第1章 揺れる時代に静かな中心を持つ―「軸不動」
第2章 後継者が習得すべき経営の軸(不易)―「陰陽」
第3章 西洋と東洋の統合経営こそが、持続可能な経営の条件―「調和」
第4章 正しい後継者・経営幹部の選び方―「為政以徳」
第5章 後継者・経営幹部の人格の鍛え方―「修己治人」
第6章 後継者の判断力の高め方―「中庸」
第7章 後継者の理想のリーダーシップの在り方―「和而不同 無為自然」
第8章 正しい権限移譲とバトンタッチの仕方―「上善は水の如し」
第9章 高度な経営感覚の身につけ方―「気」
第10章 使命・志の立ち上がらせ方―「知命立志」
終章 承継とは、人格の成熟である
著者等紹介
中谷健太[ナカタニケンタ]
株式会社新経営サービス 執行役員 経営支援部部長。「事業承継&後継者育成の専門家」中小企業診断士/事業承継士/上級相続診断士/認定経営革新等支援機関。同志社大学法学部卒業、同大学院修了。大手コンサルティング会社、事業会社の役員を経て、現在は「事業承継&後継者育成の専門家」として活動。これまで約300社以上の中小企業に対し、全体最適をコンセプトとした承継設計から、後継者・幹部育成、承継後の組織改革までを一気通貫で支援している。単なるスキーム設計や税務対策にとどまらず、承継後の組織改革までを一気通貫で支援している。「人と組織」に焦点を当てた実践型コンサルティングを展開。全国の経営者団体、金融機関、業界団体等での講演、執筆にも精力的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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