出版社内容情報
マツダミヒロ著『AI時代に強い質問力 ― “問いのチカラ”が視点と思考を進化させる』は、AIがあらゆる情報を瞬時に提供してくれる現代において、「正解を早く出す力」よりも「良い問いを立てる力」こそが人間の価値を決めると説く一冊です。著者は20年以上にわたって「質問力」を研究してきた経験から、AI時代の知的生き方の核心を「問い」と「思考」の循環に見出しています。
本書が主張するのは、AIを“答えを与える先生”として使うのではなく、“共鳴し合うパートナー”として対話する姿勢の大切さです。AIに質問を投げ、返ってきた答えを踏まえて自分で再び問う――その繰り返しが、思考を深め、独自の視点を育てる「知の循環」を生み出します。AIは「唯一の正解」を示す存在ではなく、むしろ「多様な可能性」を返してくれる存在です。だからこそ、人間に問われるのは“どんな質問をするか”という力。浅い問いからは浅い答えしか得られず、深い問いが深い洞察を導きます。
著者は、良い問いを生むために必要なのは「視点の広さ」と「自分との対話」であると説きます。時間軸や立場を変えて問う、逆の視点から問う、他者の立場で問うといった発想の転換が、AIからより豊かな答えを引き出す鍵になります。また、日常の中で感じる「なぜ?」「気になる」「違和感」といった小さな感情を大切にし、それを“問いの種”として拾い上げることが、思考を柔軟に保ち、創造性を磨く訓練になるといいます。
さらに本書は、人にする質問とAIにする質問の違いにも注目します。AIには情報の整理や構造化を、人には共感や価値観の共有を求める――それぞれの特性を理解し、適切に問いを使い分けることが、これからのコミュニケーションの力を高めると説きます。
AIがどんなに進化しても、最後に「どの答えを選ぶか」「どう生きるか」を決めるのは人間自身です。だからこそ、AIに頼るのではなく、AIと響き合いながら自分の考えを深めていく「質問力」を磨くことが、未来を創造するための知的武器となります。
本書は、AIを使いこなすためのハウツー本ではなく、「考える人間」としてAI時代をどう生きるかを問い直す哲学的な実践書です。問いを持ち、問いを楽しみ、問いを通して自分の思考を育てる。その力こそが、AIと共に未来を切り拓くための最大の知性であると教えてくれます。
【目次】
プロローグ
・答えがあふれる時代に、「質問力」があなたを自由にする
・AIが登場してから、問いの役割が変わった
・答えを出すのが早い人より、「問い」を持てる人が強くなる
・「問い、考え、また問い直す」循環が、思考を進化させる
・AIは「先生」ではなく「共鳴し合うパートナー」
・人間が主役であるために、質問力を鍛える
第1章 なぜ今、「質問力」が武器になるのか?
・「情報」より「問い」が価値を持つ時代
・質問は思考を動かすエンジン
・AIの台頭で、差がつくのは「問いの質」
・答えを持つより、問いを持つ人が評価される
・問いは人間の主体性を取り戻す手段
・考えるために問う、問うために考える
・これからの時代に必要な「知の姿勢」
・AIと質問力の新しい関係を知る
第2章 AIは「唯一解」でなく「多様解」を返してくる
(AIとの関係性や問いの使い方を掘り下げる内容)
第3章 人にする質問、AIにする質問 ― その違いとは?
・人には「心」、AIには「情報」
・感情や価値観は人に、構造や整理はAIに
・「本の要約」はAIに、「心に残った点」は人に聞く
・AIと人、それぞれの「聞き方のスキル」を磨く
・雑談も、深掘りも、意図的に質問を使い分ける
・共感は、人にしか生み出せない
・対話力と質問力は、どちらもセットで鍛えられる
第4章 視点を増やす力が、問いの質を決める
・質問は「どの視点で見るか」で変わる
・AIは枠の中でしか答えられない。だから枠を広げるのは人間
・時間軸・立場・分野を変えてみる
・「逆から問う」「他人の立場で問う」で新しい答えが生まれる
・質問が視点を増やし、視点がまた新しい問いを呼ぶ
・ビジネスにおける視点拡張の使い方
・一流の質問家は「視点の旅人」である
第5章 日常にある「問い」を拾う力
・「なぜ?」を感じた瞬間を大切にする
・違和感、驚き、ひっかかりが「問いの種」になる
・会話の中の気づきをスルーしない
・「問いのメモ」を習慣にする
・日常で拾った問いを、すぐAIに投げてみよう
・AIの答えが、新たな問いを生むきっかけに
・日常とAIをつなぐ「思考のリレー」を育てよう
第6章 考えるために問い、問うために考える ― 知の循環を生きる
・「問い→考え→問い直し」の循環が未来を開く
・AIに答えを聞く前に、自分の問いと向き合う
・AIは「思考の代行者」でなく「加速装置」
・問い続けることで、思考が深く広くなる
・問いがあるから、AIとの対話も進化する
・自分の考えを最後に一行、必ず書いてみよう
・人生を自分で選び取るために、問い続ける力を
エピローグ
・AIと共に問う未来へ
・AIに