内容説明
没後50年、当時の担当編集者が見た作家、三島由紀夫の真実。命をかけた正義と誠実の志を知る。
目次
第1章 運命―三島由紀夫の思想の礎(「文学については語らないでくれ!」;初めて三島邸を訪ねたときのこと ほか)
第2章 予兆―三島由紀夫の覚悟の始まり(体内に共存する西欧的教養と皇国主義;三島由紀夫の創作ノート ほか)
第3章 転生―三島由紀夫の才能と死生観(絢爛たる経歴と「第二乙種合格」;処女作『花ざかりの森』の反響 ほか)
第4章 決起―三島由紀夫が貫いた美学(なぜこの日でなければならなかったのか;四十五歳以後の予定はすべて空白だった ほか)
第5章 辞世―三島由紀夫は何を遺したか(「三島事件」は何を伝えたか;美学を通した切腹と介錯の作法 ほか)
著者等紹介
櫻井秀勲[サクライヒデノリ]
1931年、東京生まれ。東京外国語大学を卒業後、光文社に入社、大衆小説誌「面白倶楽部」を経て、31歳で女性週刊誌「女性自身」の編集長に抜擢され、毎週100万部発行の人気週刊誌に育て上げた。55歳での独立を機に、『女がわからないでメシが食えるか』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんた
15
かなり良書。しかも、櫻井先生の直筆サイン入りをいただいたので、大事にとっておく本リストがまた増えた。2021/01/12
DK
6
三島由紀夫さん、映画もやっていたので気になって読んでみました。最期の切腹自殺は聞いたことありましたが、東大法学部を出て官僚から物書きへ。非常に優秀で頭が切れた方だったんですね。単純な右翼皇国主義者だと思われていたそうですが、西欧的なところもあり、存外やさしかったとは、意外でした。2021/03/24
呑司 ゛クリケット“苅岡
0
馬齢を重ねる我が身を振り返る時、1980年にジョン・レノンが40才で殺され、1970年三島由紀夫が45才で自死を選んだことは大きく影響しているように思う。自然死の齢に近づくにつれ、見事な死を賜ることは常人には不可能なのかと感じる。ライフワークとしてエンディングノートに取り組み、死生観を探究しようとしていると、益々理想の最後は遠くなるように思う。未だ悟りの境地は遠く及ばないと言われたような本だった。2021/09/14