内容説明
半世紀にわたり自然人類学の研究と教育に心血を注いだ著者による、世界一コンパクトな「自然人類学総論」。宇宙と生命そのものが「自己存続の原理」を内包し、それらへの貢献こそが「人類存在の意義」と喝破する。学問の存立要件や人類学の存在意義と真摯に対峙し、タイトルにある、かのゴーギャンの問いの全てに果断に挑む。
目次
我々はどこから来たか?―人類由来論(宇宙と生命の起源と進化―宇宙の誕生と進化、生命の出現と進化、その双方に共通な原理;人類進化史―高等霊長類から人類へ―猿人から原人へ、そして新人へ)
我々は何者?―人類特質論(人類にある、哺乳類、霊長類と共通な特徴;人類特有の特徴;直立姿勢を維持する機構;直立二足歩行の機構;器用な手の働きの機構;言語と意識の機構;生活行動)
我々はどこに向かうのか?―人類未来論(これからの人類)
我々の存在意義は?―人類存在論(人類の存在意義)
付(学問論)
著者等紹介
富田守[トミタマモル]
お茶の水女子大学名誉教授、日本人類学会評議員。1937年1月20日台湾台北市生れ。鹿児島県国分市(現在霧島市)、山口県岩国市、広島市で少年時代を送った。1960年東京大学理学部人類学課程卒業。同大学院を経て、千葉大学医学部解剖学教室および東京大学理学部人類学教室で、助手として5年間勤務。その後、お茶の水女子大学へ転勤。1971年お茶の水女子大学家政学部家政学原論講座助教授。1987年同教授。1992年お茶の水女子大学生活科学部人間科学専攻教授。数年後、専攻名を人間科学から人類科学に変更。2002年定年退官、名誉教授になる。2009年3月まで大妻女子大学で自然人類学を、東京大学で生理人類学を、東京外国語大学のほか、横浜国立大学、日本大学、立教大学、早稲田大学、一橋大学、千葉大学、国学院大学で人類学を教えた。実践女子大学、杉野女子大学、相模女子大学では家政学原論を教えた。1993~1994年人間/生活研究会、1994~2001年生活行動学会を主宰し、学術雑誌『生活行動研究』を発行。2002年から始めたお茶大ライフシステム(OLS)研究会は、2007年よりお茶の水ヒューマンライフシステム(OHLS)研究会になり、現在に至る。2002年よりマモル・富田の筆名で、SFの執筆を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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