内容説明
竹崎季長によって制作された「蒙古襲来絵詞」。その失われた場面を「絵詞」の最も古い情報を持つ白描本から復原。絵そのものをつぶさに検証することで、「絵詞」と「蒙古襲来」に関する後世の誤った認識を明らかにし、本来の姿を表出する。永青文庫全面協力。
目次
第1部 蒙古襲来絵詞研究(「蒙古襲来絵詞」の保存過程と永青文庫白描本の価値;「蒙古襲来絵詞」の特色と分析視点;復原的視点によって絵と詞を読む)
第2部 竹崎季長と肥後国海頭(海東)郷(竹崎季長の出自;竹崎季長の海頭郷経営・果たせぬ夢;竹崎季長の原風景・中世海頭(海東)郷の景観復原)
第3部 蒙古襲来の背後・被虜人たちの戦後―弘安四年(一二八一)から正応五年(一二九二)(蒙古合戦被虜人が補整した大般若経―大唐軍人何三と播磨国印達北条;安達泰盛のもとにいた流罪唐人と日本僧の交流)
付論 蒙古襲来での元(蒙古)の敗因
著者等紹介
服部英雄[ハットリヒデオ]
1949年名古屋に生まれる。1976年東京大学大学院修士課程修了後、東京大学文学部助手。1978年文化庁文化財保護部記念物課文部技官、1985年同調査官を経て、1994年から九州大学大学院比較社会文化研究科助教授、1997年教授、2011年から2013年まで研究院長を兼任。2015年九州大学退職後、くまもと・文学歴史館館長に就任し2021年退任。現在名古屋城調査研究センター所長。『景観にさぐる中世―変貌する耕地景観と荘園史研究』(新人物往来社、角川源義賞受賞)、『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社、毎日出版文化賞受賞)、他編著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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