内容説明
その多くが「国に徴兵された農民」という草莽の民であった防人。日常を捨て遥か戦地に赴く姿に、第二次世界大戦時のわが国の兵士たちは自身を重ね、心を慰めたという。防人歌からは、戦と直面しつつ愛する者の未来とわが身を憂う生の声が聞こえてくる、今も昔も変わらぬ悲哀と郷愁と慕情。今こそ防人の歌をきけ―。
目次
前編 防人歌の世界(朝鮮半島有事;あゝ召集;旅は苦しと;あゝ堂々の輸送船;心の泥濘;家持は歌う、防人の悲しき別れを)
後編 防人歌以後(大宰府の防人;いざ除隊帰郷;防人歌の役割)
エピローグ 右も左も真っ暗闇
著者等紹介
山口博[ヤマグチヒロシ]
1932年(昭7)東京に生まれる。東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。富山大学・聖徳大学名誉教授、新潟大学教授。文学博士。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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