内容説明
急速に高齢化が進む日本。健康は誰しもの関心事。全国さまざまな事例をよく見ると、健康でかつ医療費が低い地域の背景に、また、複雑な医療問題が見事に解決された背後に「コミュニティのちから」が存在する。そのちからをどう発揮させて「いいコミュニティ」をどう作るか。豊富な事例に基づいてそのレシピを示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がっち
3
医療の側面の地域戦略を述べている。コミュニティ、パートナーシップとは最近耳する言葉ではないだろうか?このパートナーシップが地域の活性化にどのように結びついているかという成功例をだして述べている。ソーシャルキャピタルが強いほど、いい地域ともわかるいい例であった。ルール、ロール、ツールをもとにしたコミュニティづくりそれが大事。B2011/08/12
koyo
2
事例で挙げられている長野県の保健補導員などの取り組みは本書で初めて知りました。非常に素晴らしい取り組みだという事と、それを行っていくための「コミュニティのちから」の重要性を感じました。急速に高齢化が進み、地方がさまざまな問題にぶつかっている中で、僕の地域でも「コミュニティのちから」を育んでいくために、まず何ができるのだろうと考えるきっかけとなりました。2018/05/29
yuka_tetsuya
1
長寿健康県として有名な長野県の合い言葉に「ピンピンコロリ」があるが、3つの特徴のうち「足の太い保健婦が多い」があった。それが如何に健康に寄与しているかを詳細なフィールドワークにて解明している著作である。著者の一人の金子さんは元々数理科学を研究されていたが、阪神大震災を経験して方針を社会科学に転換されたとのこと。頭の中でこねくり回すだけではなく、現場を歩いて真理を探すというスタイルに共感する。キャピタルを有効に利用するために「ルール」「ロール」「ツール」が重要であるとの指摘は勉強になった。2011/08/09
hasemari
0
この本からたくさんの示唆をもらいました。2017/01/21
Ishida Satoshi
0
読了。地域の健康増進を図る試みとして、長野県の保健補導員の事例から、「地域のつながり」の力を考えます。地域の社会的課題を解決するのは政治及び市場メカニズムだけでなく、より小さい社会では個人や集団間の結びつきによる問題解決が大きな力になることを検証します。長野の事例もしかり、必ずしも皆が積極的、自発的に参加を決めたわけではないようですが、本書は「誘われたから参加する」、「周りの人に悪いからという気持ちから協力する」という地域の人たちの行動の中に静かなる社会性と自発性が持つ地域づくり基盤を見出そうとします。本