内容説明
最期の恋人が綴る、“時間をかけた自殺”とも評された人生の終奏。
目次
四半世紀を経ても変わらぬもの―序章
ビル最期の日
キー・オブ・セックス
憧れの女友達
私の学生時代
カウンターカルチャー
チャンピオンたちの朝食
憧れのニューヨーク
運命の場所
ニューヨークでの挫折〔ほか〕
著者等紹介
ヴァホーマン,ローリー[ヴァホーマン,ローリー] [Verchomin,Laurie]
カナダの草原地帯で生まれ育ち、ピアノ・声楽・モダンダンス・演劇をアルバータ州エドモントン、そしてニューヨークで学ぶ。若い頃、ビル・エヴァンスと出会う幸運に恵まれる。自身の愛・セックス・ドラッグ・精神的な悟り・死・ジャズへの目覚め、そして最も愛されたジャズミュージシャンのひとりの衝撃的な死について回想した『ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月』はこれまでフランス語、イタリア語、ウクライナ語に翻訳されている。ビル・エヴァンスの音楽的遺産の保存と普及を目的としたビル・エヴァンス・レガシー・オーガニゼーションの創設者でもある
山口三平[ヤマグチサンペイ]
大手音楽会社にて音楽制作ディレクター、国内アーティストの海外展開を手がける。ニューヨーク大学大学院で音楽ビジネスを学んだ後、駐在員として二度目のニューヨーク在住。吾妻光良&The Swinging Boppersのサックス奏者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
90
本書は、ビル・エヴァンスの最期の恋人として過ごした著者の回想紀である(原著2010年刊)。1980年9月15日、マウントサイナイ病院に向かう車の後部座席で「溺れてしまいそうだ」と血を吐き、恐怖を目に宿らせた男が最期を迎えていた。助手席にはローリー・ヴァホーマンが、運転席にはドラマーのジョー・ラバーベラがいる。22歳のローリーが出会ってから18か月後、薬物使用に溺れた天才ジャズピアニストを見送ることになる。ビルを待つローリーと死を待っているビル。あんな美しい曲を弾いてくれるのに、ジャズマンは麻薬禍で死ぬ。→2021/11/28
R
45
氏については、曲と紳士然とした姿しか知らなかったので、ここに描かれている姿は衝撃的だった、まさか薬物中毒で女性にもだらしないひどい男だったとわ。最期を看取った女性の日記からの散文書き起こしなので、ちょっとよくわからない部分も多いし、意図的に一方的な内容で書かれているのだろうけど、ビルエヴァンスの表面的な男性としての優しさと、美化された思い出ともいうべき内容が興味深い。ピアノや曲に関する何かを期待したけどまったく記述ないのが残念だが、そんな最期だったのかと知れたのはよかった。2022/07/10
コチ吉
8
スタンゲッツの伝記でも思ったが、ジャズミュージシャンには性格破綻者が多い。でも私はエヴァンスの音楽を限りなく愛している。誰かが、「ビルの死はゆっくりとした自殺だった」と言っていた。2021/11/30
Koki Miyachi
4
ビル・エヴァンスの晩年期のガールフレンドが、共に過ごした18ヶ月を綴っている。偉大なジャズピアニストとしてしか知らなかったビル・エヴァンスのプライベートのエピソード満載。驚愕の事実が数多く書かれており、読む価値は十分にあるが、文章と全体の構成力がやや魅力を欠いている点が残念。2022/01/06
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