内容説明
平安絵巻の下絵のごとく。闘う左大臣の藤原道長を、支える妻と癒やす妻。寄り添う家司の藤原保昌が、迎えた妻は和泉式部。
著者等紹介
北澤繁樹[キタザワシゲキ]
1947年長野県大町市に生まれる。1971年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1971年から2007年まで株式会社大林組に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
8
個人の感想です:B+。タイトルの「偃武」は武器を伏せて太平な世になるという意味。奈良時代から平安初期に天皇周辺では血みどろの政変劇が絶えなかったが、道長の時代になるとそれがほぼ収まってきた。本作は道長とその家司(けいし)安昌を軸に展開する。道長の対抗馬として『小右記』を書いた実資(さねすけ)がいるが、偃武の世では武力対決はない。小右記で有名な「望月」の歌も本作で道長が詠むことはなく、むしろ常に妻たちや入内させた娘彰子の立場に気を使い、気の休まる時はない。その一環として保昌と和泉式部の結婚が編み出された2021/12/03