内容説明
石川県立歴史博物館「大鋸コレクション」(近世分、約3,000点)をはじめ、石川県立図書館、金沢市立玉川図書館等の蔵書を悉皆調査し、金沢の書肆が関わった出版物133点と金沢の書肆54軒を解題・解説。また、俳人・儒者・町人・与力の日記、陪臣の蔵書や「書目」等から、俳諧連や詩会のメンバー、書籍の貸借や購入先、出版費用を分析。上級武士、中・下級武士、上層町人、豪農の身分間の隔てを超えて文化ネットワークと呼ぶべき文化的連携を構築していたことを浮き彫りにする。
目次
第1章 加賀藩における出版(金沢の出版物;金沢の書肆;相板と金沢の出版;加賀藩版の出版;他地方(他都市)との比較)
第2章 俳諧にみる文化交流(金沢の俳諧連;氷見の俳諧連)
第3章 書物受容と漢詩創作にみる文化交流(『鶴村日記』からみる儒者金子鶴村の読書傾向;鶴村の書籍入手経路;書籍賃借による鶴村の文化交流;北村家蔵書および「書目」について;「起止録」にみえる下級武士の書物受容の実態;下級武士の文化環境;漢詩創作にみる文化交流)
第4章 石黒信由にみる文化的相互交流(石黒信由著作の出版;書籍貸借による相互交流)
著者等紹介
竹松幸香[タケマツユキコウ]
前田土佐守家資料館学芸員。博士(文学)。1968年石川県金沢市生まれ。1994年富山大学大学院人文科学研究科(修士課程)修了。1999年金沢大学大学院社会環境科学研究科(博士課程後期)単位修得退学。2002年金沢大学大学院社会環境科学研究科学位修得。2002年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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