出版社内容情報
伊吹 浩一[イブキヒロカズ]
内容説明
生き抜くだけなら哲学なんかいらない。積極的に生きるために、思想で武装するのだ。哲学は思考の可能域を広げる道具だ。仕事・学業・政治・社会・人間関係・不安・貧困などなど、人を悩ます問題は多いが、身の回りのことから地球大の事柄まで、考える武器を持つことでいろいろ見えてくる。それが具体的な力となるのだ。
目次
序 考えることを考える
第1章 マルクス―現代思想の源流1
第2章 ニーチェ―現代思想の源流2
第3章 フロイト―現代思想の源流3
第4章 ラカン―不安のメカニズム
第5章 アルチュセール―イデオロギーをのりこえるために
第6章 フーコー―私たちは何者なのか
第7章 たとえばネグリ=ハート―現代思想の今日的展開
著者等紹介
伊吹浩一[イブキヒロカズ]
1967年生。専修大学他兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
48
現代思想を概観するにはとても良い本、それぞれ簡単な言葉でまとめてある。アルチュセールは思想をあまり知らなかったがこの本で興味を持てた。他は知っていたので持っている知識の確認として読めた。ただ、誰がどういう考えをどう発言したのかどう捉えていたかというのがフーコー以降の章では明確でないので詳しく知りたい人は各自で補わなければならない。あるいは、武器としてという意味でこの本を受け取るのならそういった点を指摘するのは些か間違いかもしれないとも思われる。2020/11/09
harass
46
kindleUnlimied.現代思想の重要思想家哲学者たちのポイントを解説する入門書。個人的に知識の確認のために読むがなかなか良い。特に、ニーチェ、ラカン。アルチュセールはあまり興味がなかったのだが、彼のイデオロギー論に感心する。ああこれだったのかと。また、未読のネグリ=ハートのさらっとした解説にも唸る。これだけで理解できるとは思わないが、取っ掛かりとしてコンパクトに収まっているのではないかと。良書。2024/10/25
ちさと
26
あるイデオロギーが社会の中で絶対化すると、異議を挟むものは削除され支配される。そこで思想家達は、誰もがふつうに生きる中でふつうにしてしまう考えを根底的に批判して、覆そうと企てた。マルクス思想は悲劇を伴いながら失敗したけれど、真に平等な社会を構想し、虐げられた人々の希望だった。ニーチェ思想は徹底的なニヒリズムに耐え克服する事で、国家の支配から解放される事を試みた。ラカンとネグリ=ハート思想の功績は、理解不足でよく分かりませんでした…。2018/10/07
大先生
11
文章としての意味はわかりましたが、その思想をきちんと理解できた気がしません。けど、まあいいか(苦笑)。ネグリ=ハートの「帝国」(=国家の更に上にあるグローバル権力)VS我々「マルチチュード」(=多数多様体)というのが、マルクスの資本家VS労働者と似た発想なのは分かりましたが、どう倒すんですかね。最終頁には【私たちのテロ等に抱く恐れが権力に正当性を与えているから、恐れなければ権力は崩壊する】みたいなことが書かれていました。私は素直なので、爆弾抱えた人が横に来ても無視します!って、そういう意味じゃないか(笑)2021/03/17
mstr_kk
6
この本はすごい。ずば抜けています。ハイデガー、マルクス、フロイト、ニーチェからネグリ&ハートまで、しっかりしたストーリーで、圧倒的にわかりやすく、しかも簡潔に説明できています。ちょっと驚きです。類書の中でベスト級です。2025/01/12