出版社内容情報
鈴木 健二[スズキケンジ]
内容説明
ストームで高歌放吟、ロー勉でデカンショを学び、寮雨で男を気どる。ここには、男達の真の青春があった。戦時下、陸奥旧制弘前高校で繰り広げられる、純粋な若者達の群像を圧倒的筆力で書き下ろす著者処女小説。
著者等紹介
鈴木健二[スズキケンジ]
1929年東京下町生まれ。52年NHK入局。翌年から始まったテレビで次々と新境地を開拓、88年退職一転して社会事業に専念。熊本県立劇場館長となり、98年青森県立図書館長に就任。75歳を機に信条に従ってフリーターを宣言し、全ての職を辞した。テレビ大賞、日本ユーモア大賞、日本雑学大賞、文化庁長官表彰等多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
2
多くのベストセラーを執筆した元アナウンサーが87歳にして唯一書き下ろした唯一の小説。旧制高校で学んだ最後の世代の鈴木は、聖太の名で己の青春を振り返る。学生の本分である学問をないがしろにして、軍事教練や勤労動員を強要する軍国主義に矛盾を感じる聖太。反骨精神が強く、正義感にあふれた彼は憲兵や警官にさえ食って掛かる。洗脳教育を受けながら、戦後民主主義を受け入れたこの世代の人は、幼稚園で教育勅語を覚えさせる理事長や美しい国を唱える首相の世代よりはるかにリベラル。Wカップで優勝宣言する選手や報道は大本営発表なみだ。2017/03/27