内容説明
陰翳とは何か。それが日本的なものだとはどういうことか。建築と小説という異なる領域の交錯する地点から、日本的なものという一九三〇年代の主題を捉えなおす。
目次
「陰翳礼讃」を読み解く
1 タウトと日本の建築、タウトと日本の建築家(桂離宮の弁証法―ブルーノ・タウトの「第三日本」;建築における日本的なものという主題―タウトと日本の建築家たち)
2 フィクションの中の建築家(ブルーノ・タウトと日本の風土―石川淳『白描』と井上房一郎;美しい日本、戦う日本―黒澤明のシナリオの中の建築家たち)
3 建築の語り方、「日本」の語り方(喪失と発見―坂口安吾「日本文化私観」と岡本太郎;富士山という解答―丹下健三「大東亜建設忠霊神域計画」と横山大観)
4 長編小説の中の建築家(結婚と屋根―横光利一『旅愁』と建築の日本化;帝国における結婚―谷崎潤一郎『細雪』と建築家という結び)
「陰翳礼讃」を振り返る
著者等紹介
中村ともえ[ナカムラトモエ]
1979年、静岡県生まれ。新潟市出身。静岡大学准教授。専門は日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
陰翳礼讃 日本的なもの 建築と小説の近代 桂離宮 建築の極点 天皇的なものと将軍的なもの 床の間とその裏側 日本趣味建築 過去の構成 似而非日本建築 最も日本的なるもの 大東亜建設記念営造計画案 富士山と忠霊 民衆的 異文化理解 心の故郷 建築の日本化 神仏習合の権現造 雑婚 日本化時代 帝冠様式 陰影や奥ゆかしさ 障子を通した柔らかな光 西洋的なものと日本的なものの葛藤 グローバル化の中での文化のあり方 世界最高の芸術 物体的・構築的なもの 行為的・空間的なもの 国土の意義や場所性 故郷を失った文学2025/04/16
インテリ金ちゃん
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1930年代の「陰翳礼讃」の意味するものを建築や文学的な視点から検証していく。戦後・現代の意味付けとの違いなど考えたこともなかった。2025/06/18
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