内容説明
進化論のふるさと、ガラパゴス諸島。その研究の初期に一人の日本人が探検隊にした。この男は一体、なにものなのか。博物学とともに生きた日本人の孤高の冒険物語。
目次
序章 バックヤードでの出会い
第一章 渡米して探検家となる
第二章 ガラパゴス諸島探検記
第三章 ガラパゴスでの発見と記録
第四章 太平洋を駆け抜ける
第五章 探検を終えた朝枝利男
著者等紹介
丹羽典生[ニワノリオ]
国立民族学博物館グローバル現象研究部教授、専門は社会人類学、オセアニア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2025年1月初版。書き下ろし。副題から朝枝氏は探検家と思い読み始めたら、探検隊に参加し、写真・動画の撮影、水彩画・剥製や標本の制作と整理が主な職務を行った方でした。とても興味深く読了しました。カバー写真はカッコいい!2025/04/25
於千代
2
日本人として初めてガラパゴス諸島を探検した男、朝枝利男の生涯を追う一冊。 アメリカの探検隊に所属し、数々のスケッチや写真を残し、発見されたヒラメには彼の名が学名として残る。さらに、現在でもアメリカ自然史博物館のモアイ像は朝枝による型が使用されているという。 こうした「忘れられた日本人」の姿に光を当てる本を読むと、世界で活躍しながらも、日本ではあまり知られていない人物が、他にもまだ多くいるのだろうと思わされる。2025/07/10
Go Extreme
2
朝枝利男: 経歴ー日本の博物学者・魚類研究に貢献 ガラパゴス探検ー 1932年・クロッカー探検隊の一員として諸島訪問→動植物の標本収集 諸島の活動: 標本収集ー100枚以上の魚類水彩画・多数の標本収集 記録と報告ー『新青年』に発表 成果: 生物多様性観察ー独自の生態系記録→学術的理解深める 展示活動ーカリフォルニア科学アカデミーで標本と水彩画展示 戦後: トパーズ収容所ー収容所に入れられながら地理学講師 アート活動ー収容所内で水彩画を制作・展示 探検意義: 文化的遺産 影響力ーオセアニアの生物学的研究発展2025/02/08
el_desvios
1
面白かった。最初はどんな人かと思っていたら、凄い研究者というか、博物学者だったのか。素晴らしい着眼点と多彩な能力をもっていたんだろうな。あまり素性がわからないのも、研究一筋だった現れかと思う。2025/05/06