内容説明
コロナ禍による緊急事態宣言下の京都、オタク少年が形成された大阪、約束の地・神戸。訪れた先で、心はさまざまなものにさらわれ、さまよって動く。ADHDとASDを併発した文学研究者が訪れた先で心さらわれ、過去を思い起こし、日本各地を「旅」する現実と幻想が交錯する旅行記―。
目次
第1部 京都・解離・コロナ禍(この旅について;京都(一日目)
京都(二日目)
京都(三日目)
京都(四日目)
旅をおえて)
第2部 全国・嗜癖・人生を振りかえって(書く前に;大阪(1)―オタク少年形成史
大阪(2)―辺境としての西成
神戸(1)―約束の地
神戸(2)―沢渡さん
鳴戸
東京(A)
坂井、金沢、勝山、仙台、石巻
東京(B)箱根、真鶴、堺、尾道、宇部、下関、水俣)
著者等紹介
横道誠[ヨコミチマコト]
京都府立大学文学部准教授。1979年生まれ。大阪市出身。京都大学大学院人間・環境学研究科研究指導認定退学。文学博士(京都大学)。専門は、文学・当事者研究。最近は、余暇の多くを「発達仲間」との交流や自助グループの運営に充てている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おいしゃん
23
【2024-17】大学教員である著者が、旅や日常の動きを通して、自らの発達障害やその他障害に伴う行動を、第三者的に分析するという斬新なエッセイ。誰しも、特異な癖やせずにいられないルーティーンというのはあるもので、障害か否かの境界というのは難しいと感じた。2024/01/31
羽
17
『イスタンブールで青に溺れる』『ある大学教員の日常と非日常』に続く「当事者紀行三部作」の完結編。今回は国内の旅行記で、横道さんの解離ぶりと嗜癖ぶりが思う存分味わえる一冊。さまざまことに思いを巡らせて旅をする横道さんの内面を知ることができ、読んでいて飽きなかった。2024/05/05