内容説明
なぜ哲学者が競馬について語るのか。「賭けること」から人間の実存にせまる、令和時代の競馬エッセイ。
目次
第1章 競馬との出会い(はじめての競馬場;二着のオグリキャップ ほか)
第2章 無観客の競馬場から(「オグリキャップ・パラダイム」の終焉;牝馬・アーモンドアイの躍動 ほか)
第3章 ネオリベラリズムと二人の調教師(オグリキャップと武豊;二人の調教師 ほか)
第4章 競馬の賭博性とは(フランスの競馬;馬とのかかわり方 ほか)
終章 日本競馬はどこへ向かうのか(馬の主体性・人間性;人間によるバイオコントロール ほか)
著者等紹介
檜垣立哉[ヒガキタツヤ]
1964年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りんだりん
18
競馬を哲学的に捉えてみるとどうなるか。そんな内容なのかなと期待していたが、これはこれで面白いと思えるものだった。哲学者による競馬エッセイといった趣き。著者とは10ほど年齢が離れてはいるが1990年代の競馬をリアルタイムに楽しんだ世代という意味では同じ時代の競馬の空気を知る仲間みたいな感覚がして書いてあることにいちいち納得感や共感がある。特に最近の競馬に対する捉え方は似たものがあり、うんうんと頷きながら読んでしまった。★32023/03/12
読書は人生を明るく照らす灯り
13
近代競馬を改めて学びたいと思い読んだ! 競馬を覚えるのは、ウマ娘が主流だけど、ダビスタで競馬を改めて学びたいと思った2024/10/27
itchie
3
あくまで哲学者が語っているだけで、哲学に絡めた話はほとんどない。「スポーツ化」「グローバル化」が進む競馬の、合理的すぎる側面に疑問を呈する気持ちはわかるけど、その「合理的」な角居調教師は牝馬のウオッカをダービーに出したし、矢作調教師もまた稼ぐために合理的に(コントレイルのようなトップホース以外は)連闘も辞さず出走回数を重ねている。むしろ個性的な戦略が生まれている面も大いにあるじゃないか。ネット投票を使っていても「リアルで生身」な感覚、「自分を賭けている」感覚は失わないようにしたい。2025/05/04
sataka
2
思ったより哲学要素は薄めで、競馬トーク多め。哲学者もそこらの競馬好きと同じように、凱旋門にこだわりすぎじゃねとか、岩田(親)のインタビュー下手だなとか思ってると分かると親しみが湧くね。近年の競馬の変革とネオリベラリズムを結びつける言説は流石といったところ。コラムで錚々たる名馬に混ざって紹介されるダノンプレミアムには味わいがあった。2023/02/24
葛
1
2023年2月13日初版第1刷発行 著者:檜垣立哉 発行者:阿部黄瀬 発行所:株式会社教育評論社 印刷製本:萩原印刷株式会社 協力:清水恵、Zoom 校正:松木貴弥 定価:1870円 装幀+レイアウト:大倉真一郎2023/04/11