内容説明
関東大震災から復興した東京を食べ歩く―時事新報の記者たちによる辛口評と昭和モダンを感じる挿絵から当時の外食文化や世相が見えてくる。
目次
新橋萩の餅
銀座千疋屋
エスキーモ
銀座資生堂
銀座不二家
モナミ
お汁粉十二ケ月
富士アイス
デルモニコ
銀座松坂屋食堂〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
29
通貨単位に“銭”が存在していた昭和初期の書籍が、この程復刻した。「時事新報」の記者が男性ばかりで連れだって、軽々しい美辞麗句を抜きに食べ歩く人気連載だったそう。味や量に言及するのは当たり前として、給仕レベル、衛生面、はたまた制服チェックまで微に入り細を穿つ彼らを欺く事は出来ない。持ち回りで担当していたと思われる挿絵も味があって面白い。大食堂でお乳をあげている婦人の姿に時代を感じ、幽霊らしきものが隅に描かれている画にユーモアを見たり。令和に息づく名店も数多く登場し退屈しなかった。巻末の附録も大変親切なり。2020/08/28