内容説明
「精神分析は単なる臨床理論ではなく、人間理解の基礎となる理論である」「文化芸術的素養がない臨床家が、人の役に立つ臨床をすることは難しい」という観点からまとめられた精神分析的臨床家たちによる文化芸術論。2人の臨床家の呼びかけに、北山修をはじめ多くの執筆陣が原稿を寄せた。映画や文学、美術、モーツァルト、ジャズにロック、ポップカルチャーから、フロイトの古美術収集やユングの自転車旅行まで、「精神分析」で捉えるカルチャーとアートの世界をめぐる知の饗宴。
目次
第1部 「文化」をめぐって(日本のリズム;将棋)
第2部 「観ること」をめぐって(物語としての映画、詩としての映画;西洋絵画と精神分析 ほか)
第3部 「聴くこと」をめぐって(精神分析とジャズ―宿命の芸;モーツァルト ほか)
第4部 「読むこと」をめぐって(精神分析的に小説を読むこと―『海辺のカフカ』を素材として;カズオ・イシグロ)
第5部 「動くこと」をめぐって(フロイトと自転車をめぐる小旅行;バレーボール)