内容説明
覚醒剤や危険ドラッグ、アルコールなどをやめられなくなる物質使用障害は、物質摂取に向かう条件反射が成立しているため、意思の力だけでは抜けられなくなっています。そこで、欲求の起こらない新しい条件反射を身につけ、物質摂取へ向かう条件反射を徹底的に弱めることで嗜癖を断ち切る治療法が条件反射制御法です。本書は、デイケアや病棟、外来、刑務所、少年院、保護観察所、回復支援施設などで、物質乱用のメカニズム、症状、問題、離脱のための取り組みなどを学びながら、同時に条件反射制御法のステージを進めていくためのテキストです。
目次
やめられない行動・癖になっている行動について
なぜやめられなくなるのでしょうか
物質使用障害について
やめるための治療・取り組みにはどんなものがあるでしょうか
条件反射制御法(CRCT)とは
“条件反射制御法をやってみよう”制御刺激ステージ
よかったことの書き出し
うつの気分とのつきあい方
日常を大切に 眼前の一題の「着手」から(森田療法的アプローチ)
“作文”一番はまっていたころの1日 あなたにとっての刺激と反射の連鎖〔ほか〕
著者等紹介
長谷川直実[ハセガワナオミ]
医療法人社団ほっとステーション大通公園メンタルクリニック院長、条件反射制御法学会立ち上げに係る。1989年、弘前大学医学部専門課程卒業(在学中に矯正医官修学生)。同年、法務省八王子医療刑務所精神科病棟勤務、東京都立松沢病院研修医(研修期間終了後も医療刑務所と兼務)。1997年、八王子医療刑務所及び松沢病院を退職。民間病院勤務を経て、1999年からデイケア・クリニックほっとステーション、2003年から2019年3月まで月形刑務所精神科嘱託医。2005年より「北海道で更正と再犯防止を考える会」を主催。現在、北海道内の矯正施設にて、ほっとステーションスタッフとともに定期的にプログラムを実施
平井愼二[ヒライシンジ]
独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター薬物依存治療部長兼臨床研究部長、条件反射制御法学会会長。1985年、徳島大学医学部卒業。昭和大学病院での研修を経て、1989年に下総精神医療センターに就職し、薬物乱用者に専門的に対応した。1995年からは2年間、ロンドン大学セントジョージ病院嗜癖行動学科へ出張。1999年に薬物乱用対策における取締処分側と援助側の∞連携を構想。2006年に条件反射制御法を開発。2012年に条件反射制御法研究会(学会の前身)を発足させた。ヒトの行動原理に基づいて、現在の精神科領域の技法を整理し、私法体系のあり方を適正なものにすることを活動の焦点にしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。