内容説明
遊びは、人間にとってきわめて身近な活動、現象であり、日本語における「遊び」は単なる「子どもの遊戯」を超え、多様な意味を持った言葉である。心理臨床の実践においても、遊びは子どもの遊戯療法にとどまることなく、さまざまな心理支援・心理療法の現場で重要な役割を果たしている。本書では、遊戯療法をはじめとする心理臨床全般において、クライエントが表現や体験として行う遊び、あるいはセラピストが活用する遊び、グループのなかで行われる遊びなどに焦点を当て、その意味と機能について論じた。
目次
遊びについて
第1部 理論編(子どもの発達と遊び;心理療法と遊び;発達障害の問題と遊びの治療的意味)
第2部 現場編(教育相談の現場における遊び;大学付属心理相談室の現場における遊びの意味―初心者が遊戯療法を担当することを巡って;スクールカウンセリングの現場における遊び;不登校・ひきこもり支援の現場における遊び;非行臨床の現場における遊び―対人援助職に求められるもの;成人の病院臨床の現場における「遊び」;子どもの病院臨床の現場における「遊び」;地域支援臨床の現場における遊び;情緒障害児短期治療施設における遊び;虐待を受けた子どもと遊び―遊べない子ども達;総括:心理臨床における遊びの普遍的機能)
著者等紹介
弘中正美[ヒロナカマサヨシ]
一般社団法人山王教育研究所代表、臨床心理士。1948年山口県生まれ。1976年東京大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士課程中退。1995年千葉大学教育学部教授。2001年明治大学文学部教授。2007年より一般社団法人山王教育研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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