目次
第1章 家蚕と天蚕―養われる蚕・自養する蚕
第2章 家蚕起源神話
第3章 近世の農書にみる女性と養蚕起源説話
第4章 蚕神と禁忌習俗
第5章 所与のものとしての養蚕と女性―中国・韓国・そして日本
第6章 天蚕
著者等紹介
倉石あつ子[クライシアツコ]
1945年長野県松本市生まれ。國學院大學卒業後、長野県史編纂委員、國學院大學日本文化研究所研究員、東京農業大学非常勤講師、東京学芸大学非常勤講師、杏林大学非常勤講師等を経て、1999年跡見学園女子大学文学部助教授、2002年教授、2015年定年退職。博士(民俗学)。現在、安曇野市豊科郷土博物館、新市立博物館準備室勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Olive
10
「なぜ養蚕は女性の仕事となったのか」この問いについて研究してきた先生の本。答え:はるか昔から これを『古事記』『日本書紀』から風土記、近世にいたっては『蚕飼養法記』『養蚕秘録』や、習俗、禁忌等から紐解いていく。 信州の養蚕状況を基本に、養蚕と女性の関係を家蚕(飼われている蚕)を中心に(ご自身が養蚕を営まれていた家ということもあり)詳細に書かれている。 中国・韓国との比較や、養蚕と一言で言っても家蚕と天蚕にはその飼育に大きな違いがあることなどから、役割も違ってくることなど知らないことがたくさん学べた。2022/07/12
toriaez
1
出身地付近の話だったので気になり図書館で借りた。本当は買いたかったがこの手の専門書はそもそも少数しか刷らず(200部程度)しかもその半分は地域や大学の図書館が買う場合が多いとかで、既に入手困難。残念。養蚕の主体が女性だった理由……男性が主産業(田畑)で女性が副産業(屋内)という社会規範、または筋力差の問題、それらとは別の面が本書の主題。あくまで資料の方向性が示唆する程度で断言はされないが「『女性性』(子育てにも繋がる忍耐力や気配り)が求められる仕事だったから」これが主張かな。養蚕の民俗学、もっと知りたい。2022/11/19
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