内容説明
1951年から1970年代半ばまでの「新バイロイト」の「黄金時代」を現存するすべての録音記録をもとに徹底検証。世界にも例のない、ワーグナー上演史。
目次
前史―一九〇四~二七年
全曲録音が始まる―一九二八~一九四四年
再出発―一九五一年
常連歌手たちの集結―一九五二年
クレメンス・クラウス、ひと夏だけの輝き―一九五三年
幻のマルケヴィッチの“タンホイザー”―一九五四年
クナッパーツブッシュvsカイルベルト―一九五五年
新バイロイトの第二ラウンド―一九五六年
新鋭サヴァリッシュの抜擢―一九五七年
「青の時代」ヴィーラント演出の“ローエングリン”―一九五八年
ヴィーラントの理想の「相棒」―一九五九年
ルドルフ・ケンペの試練―一九六〇年
ベジャールとのコラボレーション―一九六一年
カール・ベーム六十八歳のバイロイト・デビュー―一九六二年
転換期を迎えた新バイロイト―一九六三/六四年
ヴィーラント・ワーグナーの死―一九六五~六七年
ヴォルフガング・ワーグナー単独体制の始動―一九六八~七〇年
嵐の前の静けさ―一九七一~七五年
著者等紹介
吉田真[ヨシダマコト]
1961年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得。専攻はドイツ文学(ワーグナー研究)。現在、明治学院大学准教授、慶應義塾大学講師、日本大学芸術学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ムーミン2号
8
第二次世界大戦後の1951年にやっと再開できたバイロイト音楽祭をその前史も含め、1975年まで録音記録が残っている上演を中心にドキュメントとして記述した著作。ただの上演列挙ではなく、上演にこぎつけるまでの指揮者や歌手選びのあれこれ、あるいは指揮者・歌手についての批評も含まれている。その批評内容は少し緩めのものと感じたが、変テコな好き嫌いを廃したもので、かえって説得力がある。困るのは3~4時間以上かかるワーグナーのオペラを、まだちゃんと聴いてないだけに聴いたり観たりしたくなることだろうか。2024/06/16