内容説明
『東北食べる通信』が伝える鮮やかな食文化。2013年7月創刊の史上初の食材つき情報誌。「世なおしは、食なおし。」を合言葉に、「つくる人」と「食べる人」をつないできた。東北の食と風土が放つ豊かな彩りや味わい、生産者の姿勢。今こそ私たちが知っておきたい20のストーリー。
目次
第1章 大地と向き合う(命のサイクルを象徴するわらび;生産者は元読者 ほか)
第2章 果樹と語らう(誠実転じて桃、実る;家族ぐるみで胡桃をつむぐ ほか)
第3章 水の恵みを守り育む(自然のお陰で生かされている;命と「食べる」を見つめる漁師 ほか)
第4章 ともに生きる(中洞生きもの学校;人を寄せる伊達の純粋赤豚 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
29
新刊コーナーから。とはいえ取材されたのは少し前。夫が所属していた伝統芸能研究の方が紹介されていて、夫が「情報古いなあ」と笑いつつ嬉しそうに眺めていました。産直でお世話になっている方も登場し、家族でほっこり。この小さな島で生きることと食べることへ、連帯感を感じられる一冊だと思います。丁寧な作りで、読後感が爽やかです。2021/06/18
ふじ
22
震災後始まった、東北の食材と雑誌をセットで送る「東北食べる通信」の記事を本にまとめたもの。品質にこだわり、環境にこだわった生産者が取り上げられている。まぁね、それで農家が十分食べていけるならね…という気もしないではない。特に野菜は単価が低いし。みんながみんな、安心安全な食を手にしなくては、と思う必要はないと思う。一度手に入れた便利さは、そう簡単には手放せないだろうし。でも、美味い生産者を知って直に手に入れられる環境はやっぱり豊かだよな、と思う。2021/11/26
バニラ風味
17
「東北食べる通信」2013年~2018年10月に掲載された記事を、まとめたもの。私たちの命の源となる食べ物を、だた単に商売の道具として販売するのではない、という考え方、姿勢が見えるのが、嬉しい。販売者がどんな思い、こだわり、工夫で作り、消費者に届けるのか、その生の声が伝わってきます。「あるべき姿」で作られた野菜たちの写真が、力強く、美しくもありました。また、その食材を使う、ちょっとしたレシピが載っているのも良かったです。2021/07/30
ichi
11
【図書館本】大好きな東北の食や食材を通したエッセイ。写真多めで眺めるだけでも楽しい。レシピやお店情報も載っていて、レシピ参考にしよう。と思いました。2021/09/05
tsubomi
6
2022.08.13-08.28:「東北食べる通信」という実際の食べ物が送られてくる情報誌に掲載された文章を一冊にまとめたもの。“つくると食べるをつなぐ物語”というコンセプトで、生産者や生産現場の紹介を丁寧に行い、食べ方のヒントやアレンジの仕方、レシピも載っています。都会の人だけではなく、地方に住んでいても私のように農林水産業従事者の親戚がいない人間にとって、生産の現場を知ることは滅多にないので、興味深い内容。ここで紹介されている中では特に真室川の里芋、九戸のくるみ、岩泉の中洞牧場が気になりました。2022/08/28