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内容説明
深作欣二が残した人生の教科書。正義も平和も嘘っぱち!切れば血を吹くような、フィルムに込められた、昭和一桁生まれのメッセージ。
目次
第1章 「ケダモノ」の焦燥―『風来坊探偵』から『博徒解散式』まで(風来坊探偵 赤い谷の惨劇;風来坊探偵 岬を渡る黒い風 ほか)
第2章 暴力・エロ・任侠の中で―『黒蜥蝪』から『狂犬三兄弟』まで(黒蜥蝪;恐喝こそわが人生 ほか)
第3章 『仁義なき戦い』の時代―『仁義なき戦い』から『ドーベルマン刑事』まで(仁義なき戦い;仁義なき戦い 広島死闘篇 ほか)
第4章 最後の闘い―『柳生一族の陰謀』から『バトル・ロワイアル2』まで(柳生一族の陰謀;宇宙からのメッセージ ほか)
著者等紹介
一坂太郎[イチサカタロウ]
昭和41年(1966)、兵庫県芦屋市に生まれる。大正大学文学部史学科卒業。萩博物館特別学芸員などを務め、明治維新史に関する著述、講演活動を行う。また日本映画史を研究しており、著作に『幕末時代劇、「主役」たちの真実』(講談社+α新書)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
47
深作欣二監督全作品を時系列的に解説している。過去文献の引用が多いが、深作監督の熱気を思い出してしまった。「仁義なき戦い」をはじめかなりの作品を観ているが、この作家ほど、どの作品も入場料を払っただけは楽しませてくれた作家はいないと思う。また、文芸作品だろうが、女性作品だろうが、アクション映画にしてしまい、画面から熱気がほとばしり出てくる。アウトローや弱きものの視点で突っ走った作家だった。学生時代、「仁義なき戦い」五部作一挙上映オールナイトを熱狂して観たなぁ。2018/05/10
まさやん80
2
深作欣二の大ファンである著者が、深作を知らない若い世代に向けて、彼の全作品について解説した本。とにかく、深作に関する資料の読み込みが半端ではなく、引用文献がかなりディープ。山根貞男さんの労作「映画監督深作欣二」があるので、大部分がそこでの発言に依ってしまった形になっているのは、お気の毒である。この本を読んで深作の映画に親しんでくれる人が出ることを祈っている。2018/02/08
仁科久美 敢太郎 潤
0
62作品の解説をあらためて読むと、一人の優れたクリエーターの中に国家権力の一方的な「正義」に対する反発心、嫌悪感が貫かれているのを痛感する。残念なのは、深作監督の新たな面を発掘するようなインタビューがないことだ。生前のインタビューをまとめた「映画監督 深作欣二」(山根貞男著)からの引用が多い。監督をよく知るスタッフや俳優もたくさんいるだけに、その人たちの声が欲しかった。 2018/03/27