内容説明
ロシアのアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインが語るウクライナ戦争と文学、芸術、孤独―。2023年に行った8時間に及ぶインタビューを収録。
目次
1 午前10時のモスクワから
2 『話の話』からみえること
3 今日生まれうる芸術
4 今の時代にアニメーションをつくるということ
5 孤独について
6 戦争の終わり
著者等紹介
ノルシュテイン,ユーリー[ノルシュテイン,ユーリー] [Norshteyn,Yuriy Borisovich]
1941年生まれ。『25日‐最初の日』(68)でデビュー。『キツネとウサギ』(73)『霧の中のハリネズミ』(75)『話の話』(79)等を制作。切り絵技法による、独特の詩的で繊細な作風が多くの人々を魅了し、日本をはじめ世界中のアニメーション作家たちに多大な影響を与えている。30年以上の歳月をかけゴーゴリ原作『外套』を制作している。モスクワ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりまき
14
アニメーションは暗くて寂しくてちょっと怖い印象。でも時々可愛い。ウクライナへの侵攻が始まった頃、ロシアは私の中で悪だった。けれど、そんな単純な物ではないのだね。ウクライナの中でもロシア語話者は多いのに、自分の母語を使えなくなるとは恐ろしいことだ。だから、彼の言うこともそうであろうとも思う。武力ではなく、殺戮ではなく、何とか解決する方法はないだろうかと思うが難しい。2024/11/27
おだまん
12
いっときロシアものをまったく聴いたり読んだりする気持ちになれない時期がありました。芸術が悪いわけでは決して悪いわけではないのだけれど。芸術が政治と切り離せない事実があるからこそ、目を背けてはいけないと思う。世界のいろんなところで起こっていること。2024/12/26
Go Extreme
2
人間の尊厳とは何か 今日生まれうる芸術 宇宙的な孤独 権力と無知による破局 文化は言語の担い手 お金が文化を支配する状況 核のボタンを押すかもしれない狂気 イデオロギーは芸術にとって最も恐ろしい 有害と生命を与えるものを区別する能力 魂の正確な気分を伝える言葉の音楽性 引き裂かれた人生の上に成り立つ文学 感情体験がより重く力強く伝わる 偽りの愛国主義症候群 尊厳ある英雄的な死という選択肢 シンプルな概念を豊かに伝える詩 演劇は人間と関係している 自分の歴史 独自の生のドラマツルギー 知識ではなく人間の言葉2025/05/20
讀。
0
「自分の中に世界を集める」の言葉がすき。2025/05/18