内容説明
「地球とは昆虫の惑星である」といわれるように、砂漠から高山さらに熱帯雨林にいたるまで、地球上のあらゆる環境に適応していった昆虫。その進化を支えるDNA配列の変異やタンパク質の進化など、昆虫の分子レベルの仕組みをのぞき見ることによって、カゲロウやトンボといった原始的なグループから、より多様化に成功したチョウや甲虫まで、複雑かつ繊細、不思議と魅惑にみちた昆虫の世界を幅広くカバーして紹介。
目次
第1部 分子系統樹が解き明かす昆虫の進化ドラマ(昆虫の起源と初期の進化―昆虫類のバイオヒストリーを記録するDNAの世界;分子系統樹にみる甲虫の進化様式―静の進化と動の進化の世界;日本の地史と昆虫相の成立―地理形成に由来する進化の世界;日本における昆虫類の分布と棲みわけ―時季や地理に由来する進化の世界)
第2部 めくるめく昆虫の多様な生きざま(イチジクコバチにみる昆虫と植物の共進化―“1種対1種”関係の進化の世界;チョウにみる進化と多様化―DNAによって解明される分化・擬態・共生の世界;昆虫の奇妙で多様な生活史―複雑な様相をみせる昆虫の生態の世界;多様性に満ちた甲虫の進化―変容する形態・機能の世界)
第3部 分子レベルで明かされる昆虫進化の不思議(クワガタムシの大顎・カブトムシの角の発生メカニズム―使いまわされる遺伝子と形態進化の世界;チョウの斑紋形成とその進化―昆虫界に彩りを与える遺伝子の世界;ホタルが光を放つとき―タンパク質の進化がもたらす多様性の世界;チョウの“味覚”と産卵行動―本能行動を支える遺伝子の世界)
著者等紹介
大場裕一[オオバユウイチ]
1970年生まれ。北海道大学大学院理学研究科修士課程修了。総合研究大学院大学博士課程修了。博士(理学)。現在、名古屋大学大学院生命農学研究科助教。昆虫DNA研究会代表幹事。未知の発光生物探しから、発光生物に関する文化資料の収集まで、発光生物に関するあらゆることに興味がある
大澤省三[オオサワショウゾウ]
1928年生まれ。名古屋大学理学部生物学科卒。理学博士。ロックフェラー医学研究所助手、名古屋大学理学部学科生物学科教授、JT生命誌研究館顧問などを勤める。専攻は分子生物学・分子進化学・昆虫学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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