内容説明
日本を席巻する「日本人は優れている」「日本は世界一」をうたうテレビ・新聞・本の「愛国番組・報道」。日本は危険水域に入っている!
目次
序章 心地よくて危険な「日本礼賛番組」
第1章 「日本礼賛番組」の自画自賛が日本を狂わせる
第2章 牽強付会な「愛国報道」が日本をダメにする
第3章 いまでもオリンピックが「国威発揚」の国・日本
第4章 「愛国」ブームをつくったマスコミの総力戦
第5章 「愛国」と「反日」は表裏一体
第6章 戦前から「愛国報道」が抱える闇
著者等紹介
窪田順生[クボタマサキ]
1974年、東京都に生まれる。ノンフィクションライター。学習院大学文学部史学科卒業。在学中より報道番組のスタッフとして制作に携わる。「世界ふしぎ発見!」(TBS系)やドキュメンタリー番組のアシスタントディレクターとして活動後、「フライデー」記者、朝日新聞記者、「実話ナックルズ」などの副編集長を経て、現在は週刊誌や月刊誌などに取材記事を寄稿するかたわら、豊富なメディア経験をいかして企業や公共機関の報道対策アドバイザーもつとめる。著書には『14階段―検証 新潟少女9年2ヶ月監禁事件』(小学館、第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
15
的外れな自画自賛は、滑稽を通り越して恐怖を感じます(( ;゚Д゚))世界は日本のこと、そんなに注目してないし憧れてもいないと思う。2019/01/11
ハッカ飴
12
何か考えるときは客観的事実に基づいて考えることが必要だ、やっぱり。テレビのスポーツ系の中継などで「ニッポンやった!」「ニッポンすごい!」みたいな発言てすごく違和感があった。書かれているとおり、がんばったのは選手個人で「日本」ががんばったわけでも、ましてや私ががんばったわけでもないから。優性思想とはこんなふうに私たちに埋め込まれていくんだな。朝日新聞の生い立ちを、その影響力をたどったところは興味深かった。こんなふうに今が今一度「戦前」となることをなんとか拒みたい。2019/08/30
YUTAKA T
11
日本スゴイ!クールジャパン!日本世界一!外国人が賞賛する日本!という報道がいかに無責任にいかに多く報道されてきたか、という内容を戦前から戦後、そして2010年代に至るまで、きちんと新聞のデータなどからきちんとした数字をあげて、解説した本ですね。まあ、クールジャパン!とか日本スゴイ!という日本礼讃報道も有害だと思いますけど、日本は悪くない!日本は悪くなかった!という報道も大問題だと思いますが、そこには触れていないのが残念でした。2023/08/22
小鳥遊 和
7
評者は「日本人すごい」番組や記事を無批判に楽しんできたので気づきが多かった。豊富な事例と直観的な断定が混在する。日本礼讃をたれ流す洗脳的放送は東電の1982年広告「世界一の技術が、日本の原子力発電を支えています」に帰着する危険ありと論じ、自画自賛をこじらせて全体主義に傾き暴走した過去を思い出せと説く。日本の経済成長でさえ勤勉や技術力ではなく世界2位の人口大国になったからというアトキンソン(本書帯に推薦言)の説を援用。放送中や記憶に新しいTV番組名、それらの元ネタとなることが多い「愛国本」の紹介が面白い。2025/03/30
きむロワイヤル
7
最近気になる、他国を排斥する形の愛国行動は全て戦前に遡り、その戦前の亡霊に今も日本は支配されているって一概には信じがたいが、戦後民主主義がただの幻想で、ほとんど戦前のシステムが今も生き残っている事実からこの結論も単なる妄想と片付けられない。2019/04/30