感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
102
ミシュレはフランスの歴史家だが、決して自国の歴史を誇らなかった。権力や宗教や政治が相剋する激動期の度に、虐殺と暴力と戦争が繰り返された事実を理解していたからだ。特定の主義主張や信仰からの視点を排し、かといって正義や理性も無条件には信じず、王侯や軍人ではなく歴史の流れに巻き込まれた民衆の立場を重視した。さらに歴史とは人間だけのものでなく、環境を構成する自然や生き物を含めた総体的な存在とも捉えていた。一方的な思想信条で他者を排斥する考えが広まる今日、全てを包み込むようなミシュレの史観は再評価されるべきだろう。2024/12/30
Go Extreme
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貧しさからの出発と独学の歴史家 十字軍の野蛮さと異端審問への変質 悪魔的な陽気さ伴う宗教弾圧 悪が限度を超えた自然発生的反乱 フランス革命という民衆の偉業 大いなる自然の再発見と近代への道 民衆の英雄的福音、大革命の生きた預言 絶対観念・理念への強い否定 ユダヤ・アラブ・アジアとの和解の曙光 心のルネサンス 自然発生的に現れる民衆の発見 下層民衆の生命力と行動力への信頼 自然と一体化した存在としての女性 地球全体を動物と捉える生命観 万物が持つ魂、心、意志への確信 真実と誠実による人類和解への道2025/04/28
takao
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ふむ2025/03/17
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